安倍政権が今年、成長戦略の一つとして「女性の活躍推進」を打ち出し話題になりました。政府も「働くなでしこ大作戦」と名付け、2020年までにあらゆる分野への女性の参画割合を30%とすることを目標に掲げています。現状では、女性の管理職比率(課長以上)は8.4%(2013年、日経ウーマン調べ)にとどまっています。

国際比較すると、日本と韓国の女性管理職の低さが目立ちます。欧米のいわゆる“先進国”ですと、女性が管理職や役員に名前を連ねるのはもはや“グローバルスタンダード”であって、逆にそういう状態でないと恥ずかしいという意識があります。
一方、女性が活躍できるのが欧米の先進国ばかりかというと、そうでもありません。例えば、フィリピンは女性管理職比率が50%を超えることで有名ですし、タイやバングラデシュは女性が国家元首を務めています。東南アジアの国を旅すると実感しますが、本当に女性がよく働く。これらの国は貧富の差が激しく、優秀層がある程度限られますから、能力さえあれば男女関係なく活用しないわけにはいかないのです。
日本は、「女性が活躍するのは当然」という発想のある先進国でもないし、「優秀なら男女問わず、その能力に頼らざるを得ない」というほど途上国でもない。ある意味、“中途半端”な立ち位置にあるのではないでしょうか。