姿勢チェックの結果はいかがでしたか? もちろん、いつも理想的な姿勢でいるなんて不可能なことで、荷物を持ったり、デスクワークするときに、最も働きやすい作業姿勢をとるのが自然です。しかし、その姿勢をずっととり続けていると、悪い姿勢が固定されてしまう。その結果、上半身と下半身をつなぐ骨盤が、前、あるいは後ろに傾いた状態が「自分の姿勢」になってしまうのです。

姿勢の崩れは、見た目の印象の悪さにとどまりません。悪い姿勢は悪い動作につながり、たくさんの不調を連れてきます。

例えば、骨盤が前傾していても後傾していても、体のバランスをとろうとして猫背気味になります。猫背になると、両肩はぎゅっと縮こまり、息が浅くなって凝りが生じる。手がうまく上がらないから上にあるものを取るときに腰に過剰な負担がかかり、腰痛を引き起こします。背中が丸くなると顔は下向きになりますが、それでも前のものを見るために視線を上げるので首の後ろ側に負担がかかる。首凝りだけでなく、めまいや目のかすみ、耳鳴りや片頭痛が起こりかねません。

ちょっと意外かもしれませんが、顔つきも変わるんですよ。体の軸に頭が真っすぐのっていれば、顔の筋肉は上下に軟らかく動きます。しかし、首の後ろが縮むと口の周りやほおに、後ろ側に引っ張ろうとする抵抗がかかる。たるんだ締まりのない表情になってしまうのです。

骨盤の前傾も後傾も、放っておかず、ニュートラルな位置に戻すことが、不調を軽くするための何よりの解決策です。

私は、体をみるときに偏った姿勢の正体、つまり「片側の筋肉が縮み、もう一方は伸びている」という状態に着目します。骨盤が前傾している人は、ぐっと反っている腰の筋肉が凝り、反対に、お腹の筋肉が緩んで力を失っている。一方、後傾している人は、太ももの裏にあるハムストリングスという筋肉が常に短く縮んで張っていて、前側の股関節を曲げ伸ばしする腸腰筋が伸びて緩んでいます。

だから、対処法はセットで考えます。凝った筋肉をストレッチし、伸びて衰えた筋肉をエクササイズで鍛える。この考え方は前傾・後傾ともに共通です。

では、最初の姿勢チェックで壁と腰の隙間に手がすぽっと入ってしまった骨盤前傾タイプから。まずは、凝った腰をストレッチする「腰伸ばし体操」を行いましょう。前傾タイプは、この姿勢をとると背中全体を丸めてしまいがちなのですが、そうすると効果が出ません。背中は真っすぐにし、お尻を少し浮かせると腰部分だけが伸びます。腰がストレッチされると、伸びた分だけ体は動きやすくなり、次に行う「腹筋体操」の効果も高まります。ちなみに、一般的な上体を引き起こすタイプの腹筋運動は、腰に負担をかけるのであまり良くありません。

今回紹介するのは、おへそをぐーっとへこませて、下着のゴムからお腹が離れて背中にくっつくぞ、というイメージの腹筋運動です。腹直筋が鍛えられるばかりでなく、腹筋のさらに深い所にある腹横筋も刺激できます。呼吸は止めなければ特に意識しなくて大丈夫。慣れてきたら肩甲骨まで床から浮かせる動きも加えると、さらに効果的です。


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