ヨーロッパの都市を躍動 「超小型車」最新事情モータージャーナリスト 川端由美

ロンドン市街地はエコカーばかり

イギリス・ロンドンは、市街地に入るには8ポンドを支払わなくてはならないというという高額な渋滞税を導入しています。町中を走るのは超高級車とロンドンタクシー、そして渋滞税が免除されるエコカーばかりです。ここでも超小型モビリティの活躍が期待できそうです。まだ試験的にですが、プジョーの4人乗り小型モビリティも、スマートEVも走っています。また、超小型モビリティではありませんが、BMWのEV、プラグインハイブリッドのブランド「i」もショップをオープンしたばかりです。

アウトバーンを大排気量のクルマで駆け抜けるイメージが強いドイツですが、それは郊外での話。ひとたび高速を降りて、町中に入るには規制が厳しくなります。アウトバーンで無制限だった制限速度は、町中では時速50km、ときには時速30kmになります。都市によっては、旧市街への自動車の侵入を規制するところもあります。

この国では1970年代に町中に自動車が流入した結果、市街地が駐車場不足に陥り、郊外店に顧客を奪われて街から活気が失われた過去があります。そこまでは今の日本と同じですが、クルマを郊外の駐車場に停めて公共交通に乗り換えて市街地に入ってもらうパーク&ライドを早くから導入した結果、味気ない郊外店ではなく、カフェでゆったりした時間を過ごしたり、細やかな対応をしてくれる商店街で買い物をしたいという人たちが旧市街に戻って来ました。

余った電力で充電

話を超小型モビリティに戻しましょう。都市部へのクルマの流入を全面的に規制する街はまだ少数派ですが、一方でエコカーしか走れない環境ゾーンを設ける動きはドイツ各地で進んでいます。ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車については議論中ですが、排ガスゼロのEVなら文句なしに町中を走れそうです。

2008年にスタートした「eモビリティ・ベルリン」というプロジェクトでは、電力大手のRWEが参加して市内に500カ所の充電ステーションを設置しました。

ドイツでは様々な電力事業者を選べることもあって、スマートフォンを使って電力会社ごとの電気代を調べることができ、希望する時間に充電をスタートすることもできます。電力が安い時間帯にEVを充電してもらうことは電力需給の平準化につながり、電力事業者にとってもメリットがあります。

従来のエンジン車の超小型車は非力で、アウトバーンでの移動が中心のドイツでは実用的とは言えませんでしたし、1人乗りが多いのも実用性を欠く要因でした。でも、今登場している超小型モビリティなら十分にパワフルで、EV専用にパッケージングにすれば2人乗りに十分に対応します。

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