ヨーロッパの都市を躍動 「超小型車」最新事情モータージャーナリスト 川端由美

2013年2月から公道での走行が可能になる新しい認定制度が始まるなど、日本でも本格的に導入プロジェクトがスタートしている超小型車(以下、超小型モビリティ)ですが、海外でも同じような動きが進んでいます。実際にパリ、ローマ、ベルリンといった大都市でも、あちこちで超小型モビリティを見かけます。モータージャーナリストの川端由美氏がヨーロッパ諸国で超小型車(超小型モビリティ)の最新事情をリポートします。
ベルリンの街を走る「スマート」(撮影協力 Kimura Office)

「市街地を走っているクルマのうち約40%が駐車場を探して走リ回っている」というほど駐車場事情の悪いイタリア・ローマでは、駐車スペースが探しやすい小さなクルマが人気です。町中を歩いてみると、メルセデス・ベンツが作る2人乗りの「スマート」がたくさん停まっています。ヨーロッパでは縦列駐車が一般的ということもあって、全長2.7mの短いスマートは重宝されるのです。

それよりさらに小さな超小型モビリティも、ちょこちょこと町中を走っています。ピアッジオなどのバイクメーカーが作る1人乗りの超小型モビリティは、国によっては運転免許なしでも乗れたり、駐車スペースを選ばないので、商店の配達や地元の通勤に使われていることが多いようです。

パワフルな加速も魅力

超小型モビリティは、フランス・パリでも活躍しています。モーターショーでも、馬車メーカーとしての長い歴史を持つユーリエや、レースのチームの運営でも名を馳せたリジェなどが超小型モビリティを精力的に展示しています。

EV(電気自動車)先進国のフランスでは超小型モビリティが絶大な人気です。パリの街中に充電ステーションがたくさんあり、EV専用の駐車スペースがあるなど、とても便利そうです。実際、お店のロゴや電話番号を掲げた商用車として大活躍していますし、個人所有と思われる超小型モビリティが路地裏にちょこんと停まっている光景も目にします。

フランスでは15kW以下の出力なら税金が格安ということもあって、元々、近所の通勤や商店の配達に超小型車を使う人がたくさんいました。ただ、エンジン車でその出力だとノロノロと町中を走る程度の速度になってしまします。でもEVのモーターで15kWなら、時速80kmくらいまで加速することもできます。

ロンドンを走るプジョーの電気自動車

しかも、エンジン車では1人乗りがやっとですが、プジョーが開発中の小型EVはパッケージングを工夫することで4人乗りにできるそうです。左右2列の電池パックの上に、バイクのように前後にタンデムで座って、バーハンドルで操作します。まるでバイクとクルマの間のような乗り物です。

プロトタイプに実際に乗せてもらいましたが、カメラ機材を抱えた大柄な外国人男性2人と180cm近い日本人男性と170cm以上もある私が乗れることに驚きました。走りだすと、その驚きはさらに倍増しました。 見た目のかわいさとは裏腹にグイグイと力強く走って、あっという間に80kmまで達してしまったからです。

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ロンドン市街地はエコカーばかり