月夜の富士山、奈良で撮った 遠望の限界に挑む

ダイヤモンド富士、理論的にも今回が最遠

田代さんによると、ダイヤモンド富士は理論的にも今回の場所が最遠の地となるという。パール富士は理論的にはさらに遠い場所からも確認できるが、月夜という非常に厳しい環境下での撮影となるため、記録更新は極めて難しいとのことだった。

ちなみにこの場合の「理論」とは、富士山の高さと地球の丸み、さらには光の屈折の影響をも考慮して算出したもの。途中にある山など「障害物」の存在も大きな要素だ。

田代さんはこれらを地図総合ソフト「カシミール3D」で計算し、富士山がどこから見えるかを解析した。ダイヤモンド、パール富士はさらに日の出や日没時間、季節による軌道の違いなども考慮してある。

福島県古殿町にライブカメラ 248km離れた姿をネットで確認

ではそもそも、富士山が見える最も遠い場所はどこなのか。

現時点で確認されている最北端は、福島県だ。田代さんによると、富士山から299km離れた日山(ひやま)が北では最も遠いという。日山は二本松市と葛尾村のちょうど境に位置している。

二本松市にある麓山(はやま)からの「証拠写真」もある。こちらは富士山からの距離が298kmと日山より近いものの、緯度は日山より北に位置するらしい。

理論上はさらに北にある花塚山が限界地となる。富士山からの距離は308km。これまで何人もの富士山マニアが撮影に挑戦したが、いまだ成功していない。

ちなみに、福島県古殿町(ふるどのまち)では12月から、三株山(みかぶやま)の頂上にライブカメラを設置した。富士山からの距離は248kmあるが、「肉眼でも見ることができます」(古殿町役場)。ライブカメラは過去の分を検索することができるといい、「12月22日、24日は富士山がはっきりと写っています」とのことだった。三株山は標高約842mで、駐車場から徒歩15分ほどで山頂に達する。空気が澄む1月は富士見のチャンスがありそうだ。

「カシミール3D」を使って田代博さんが作製した、富士山の「可視マップ」。ピンクの部分が、富士山が見える場所
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