食べる順番を変えるだけ 正月太りを解消

普段の食事をそのままに、食べる順番を変えるだけ──という手軽さで人気の、食べる順番ダイエット。食事の際、ご飯、おかずなど内容に応じて食べる順番を変えるだけで、太りにくくなるというメカニズムだ。さっそく、その方法を紹介しよう。

「食べる順番ダイエット」とは、言葉のとおり、食べるものの順番を決めて食事をすること。最初に「野菜」、次に「肉や魚」、最後に「ご飯」という3ステップが基本ルールとなるダイエット法だ。

ポイントは、カロリーではなく血糖値のコントロールをすること。最初に野菜を食べることで、野菜の食物繊維が血糖値の上昇を抑え、「肥満ホルモン」と呼ばれるインスリンの分泌を抑制。すなわち、太りにくくなるというメカニズムを利用する。

ダイエット効果を上げる方法として、東京トータルライフクリニックの馬渕茂樹院長は「消化と吸収の速度をふまえて、野菜をたっぷり、一口20回以上かんで食べること。できれば夕食のご飯やパンを抜くこと」と言う。糖尿病や肥満に詳しい馬渕院長が、食べる順番ダイエットを食事療法として研究してきた結果、到達した、失敗しない秘訣だ。

「半年間、最初の野菜を5分かけて食べるようにしたら、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)という体の糖化を示す値が下がった、という実験データがある。体の糖化を防ぐことは体重の減少のほか生活習慣病の予防、肌、骨、血管のアンチエイジングにもなる」(馬渕院長)

効果はジワジワと確実に表れる。「数年続けて10kgやせた人もいる」と馬渕院長。

2型糖尿病患者15人に、米飯、サラダの順で食べる試験と、サラダ、米飯の順で食べる試験をそれぞれ実施。食後のインスリン値は、野菜が先のほうが30分、60分後ともに有意に抑えられた(データ:糖尿病;53(2),112-115,2010)
炭水化物は血糖値を急上昇させて“肥満ホルモン”と呼ばれるインスリンの大量分泌を招く。余った糖分が脂肪として蓄積されると血糖値が急降下し、甘いものを食べたい欲求やイライラ・眠気が起きる。この血糖値の乱高下を防ごう

さっそく挑戦! 食べる順番は3ステップで

[1] まず野菜

サラダや煮物、炒め物などで、まず野菜をよくかんで食べる。食物繊維の多さがポイントだからキノコや海藻でもOK。炭水化物が主体の芋類やカボチャ、トウモロコシは対象外。

POINT
● 野菜の食物繊維をチャージ
● 一口20回以上かんで食欲コントロール
● 炭水化物の多いジャガイモ、カボチャなどはここでは食べない

[2] 次に肉や魚

肉や魚のほか卵、植物性たんぱく質が豊富な豆腐や納豆、厚揚げ、湯葉などの大豆製品もこのグループ。[1]の野菜と同様に一口20回以上かむようにして、満腹感を高めよう。

POINT
● たんぱく質をチャージ
● この段階でもよくかむ
● 次第に、満腹感が出てくる

[3] ご飯は最後に少しだけ

ご飯やパン、麺類などの炭水化物は最後に少なめが基本。特に夜は、すでに満腹なら食べないで。「夜の炭水化物は翌朝のだるさにもつながるので夕食では抜いてもOK」(馬渕院長)

POINT
● ご飯やパンは最後に少量
● 夕飯なら抜いてもOK
● ジャガイモやコーンはここで食べる
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成功するためにNGな食べる順番を覚えよう