10年ほど前から、私は妊産婦さんに「お尻フリフリ体操」や「しっぽ探し体操」(後に紹介)を薦めてきました。それをすれば、赤ちゃんが早期から子宮口の方に下がっているのも、逆子も、面白いほど良くなったものです。ところが、3年ほど前から急に効かなくなりました。特に、車社会で体を動かさない地域に、体の痛みだけでなく、妊娠・出産経過の悪い“重症妊産婦さん”が激増。そんな青森県八戸市の上野順子助産師が考案したのが、片腕ずつ伸ばしながらする「お尻フリフリ」体操です。この体操をすると、下がっていた子宮が上に上がって、お腹の中の赤ちゃんが良い状態に収まり、安産できると大評判です。

もちろん、妊娠していない人にもうれしい効果はいっぱい。「仙骨座り」によって胸郭が薄っぺらになり、内臓が下垂して骨盤が広がっているのが現代女性の特徴です。洋服のサイズが上半身はMなのに下半身はL、という人はまさにこのタイプ。月経痛や便秘などにも困っているはずです。ぜひともこの体操をしてくださいね。

2つの体操で首と腰まわりをほぐしたら、全身の凝りを大胆にほぐす「しっぽ探し体操」で仕上げましょう。スマホ姿勢で凝り固まった後頭窩から首、肩、背中から腰まで、全身がすーっと伸びる心地よさは抜群です。

しっぽ探し体操
 後ろを向いて体をひねる動作で全身のゆがみを自然に調整。首から背中、腰まで凝りをほぐしてすっきり。
【1】四つばいになってしっぽを探す
 四つばいの姿勢になり、自分のお尻にしっぽがあるイメージで、しっぽを探すように上体を左右にひねる。楽にひねることができる側からスタート。上体をひねり、抵抗を感じた状態で5~10秒ほどキープする。呼吸は止めない。
【2】顔を正面に戻して脱力する
 吐く息とともにふわっと脱力し、体は正面に、頭は自然にだらりと下げる。そのまま5~10 秒ほどリラックスする。1~2を3回行う。
【3】反対側も同様に
 反対側でも1回行う。上体をひねり、抵抗を感じた状態で5~10 秒ほどキープし、最後の吐く息とともに脱力する。そのまま5~10秒ほどリラックスする。

タオルを使ってこまめに首ほぐし

日々、意識して首を動かすことも大事です。ただし、凝った状態で首を回すと頸椎を傷める恐れがあるので要注意。お薦めは、タオルを結んで作った「2個玉タオル」で盆の窪の凝りをほぐす体操。結び目を盆の窪の凝りに当てながら気持ちよく動くだけで、素早く、安全に首の凝りをほぐせます。

後頭窩をほぐす「2個玉タオル」
【1】 薄手のフェイスタオルを2枚用意する。1枚目のフェイスタオルに結び目を作り、もう1枚と縦結びに結ぶ。後頭窩をほぐすときには、2つの結び目の距離を近づけて作るのがコツ。
【2】 後頭部と首の境目、盆の窪の左右にタオル玉を当て、タオルの持ちやすいところを持つ。タオル玉を押し当てながらあごを少し上げ、腕を上下、前に出すなどして気持ちよく感じる方向を探しながら、頭を左右に傾けたり前後に動かす。

背中や腰、足の裏に2個玉タオルを当てて、ゆさゆさするのもお薦め。椅子にかけておき、つらくなったらいつでも、全身をほぐしましょう。

この人に聞きました

渡部信子さん
 「健美サロン渡部」代表。助産師、整体師。京都大学医学部付属病院で26年間勤務の後、1998年に開業。妊産婦に人気の骨盤ベルト「トコちゃんベルト」の開発者。NPO法人母子整体研究会代表理事を務めた後、現在も引き続き母親と赤ちゃんの体をサポートすべく、セミナーや商品開発に力を注ぐ。2006年~2011年まで本誌で連載。『骨盤メンテ1・2・3』『DVD で骨盤メンテ』(日経BP社)が好評発売中。

(ライター 柳本操)

[日経ヘルス2014年1月号の記事を基に再構成]