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マネー研究所
日経マネー 特集セレクト

2014/6/18

日経マネー 特集セレクト

結果としてこれが功を奏した。当時購入したプレナスと武田薬品工業で、300万円近い利益を獲得したのだ。これが現在の投資手法の原点となった。資産総額も3600万円程度まで回復した。

36歳でリタイアを決意

06年には資産が1億円近くになり、彼は考えた。「株の大半を売って8000万円で金利5%弱の米国30年債を買えば、毎年300万円の利子が入る。今の給与所得が300万円でほぼ同額。実際は、その半分もあれば生活できるのだから、仕事を辞めても十分やっていける」。

儲けたお金で購入した大量の日本酒。生活は質素だが、唯一の楽しみは日本酒。部屋中にあふれている

こうして36歳で退職しリタイア生活に突入。残りの資金は、REIT(不動産投資信託)、日本株への投資に充てた。

その後米国債は売却、現在は三菱UFJフィナンシャル・グループに一点張りして、17万株以上保有する。「全力一点張りでも、日本において強い会社を選べば破綻の恐れは少ない。中小型株では情報がなかなか入らずやきもきすることもあるが、大型株なら日常的に情報が得られるのも利点」と言う。

「今は家賃や光熱費なども含め、年間100万円で生活できている。株価がいくらになろうと、配当収入が150万円を割らなければ、何の問題もない」。自分の生活費をとことん切り詰めれば、30代でのリタイアも夢ではなさそうだ。

IR情報だけで爆騰銘柄当てる
鳥山正幸さん(仮名・31歳、投資歴8年)

鳥山正幸さん(仮名・31歳)はもともと株に強い関心があったわけではない。それでも投資を始めて8年で資産1億3000万円を築いた。大学卒業後、公認会計士試験に合格してから就職までに3カ月の空白ができた。投資の動機はちょっとした暇潰しだったのだ。

当初の資金は50万円のみ。監査法人で働き始めてからは実家暮らしのため給与の多くを投資に回せたが、資産が殖え始めるのは、ある“真理”を知ってから。それは「IR(投資家向け広報)情報だけでも十分勝てる」というものだ。

鳥山さんが主戦場とする東証2部は企業側が今後の経営を左右する戦略などを発表しても、市場がすぐに反応しないことが多い。日本株投資を始めた数年前は特にその傾向が強かったという。

例えば、2007年、ダイヤモンドダイニングは外食業界向け雑誌などで先鋭的な経営が注目されていたが、投資家の評価は高くなかった。「IRがどんな重要情報を流しても完全に素通り」(鳥山さん)。同社株をほぼ底値で買って数百万円の利益を得た。

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