2012/9/28

東京ふしぎ探検隊

わかりにくい東京の環状道路 未完の「環3」、文京区に痕跡

汐留では環状2号の工事のため、首都高の高架が一時的に撤去された

銀座を囲む東京高速は新橋と京橋で首都高に接続している。しかし現在、新橋側では接続を休止している。訪れてみて驚いた。高架状の道路がぷっつり、切れているのだ。

「環状2号線の工事をしています」。工事関係者が教えてくれた。聞けば環状2号には未開通区間があるという。汐留から虎ノ門までの地下道路で、2014年に開通の予定だ。マッカーサー道路とも称される道路の工事のため、首都高の一部を撤去したという。

東京の環状道路といえば環7、環8が有名だが、それだけではない。1号から8号まで8路線ある。

1号は内堀通りや日比谷通り。2号は新大橋通りや外堀通りだ。3号は外苑東通りや目白通りで、4号は外苑西通りや明治通りなど。5号は明治通りや御苑通り。6号は山手通りだ。実際に環状になっているのは1号と7号だけで、あとは未開通だったり計画自体が環状ではなかったり。4号と5号は一部で重なっているなど、実にわかりにくい。

象徴的なのは環状3号だ。地下鉄丸ノ内線の茗荷谷駅(文京区)から5分ほどの場所に、播磨坂という場所がある。桜の名所として知られている。ゆったりとした道路はしかし、500メートルほどしかない。戦災復興事業の一環で環状3号の一部として整備されたが、前後の道路ができず、わずか500mの「立派な道路」がぽつんと取り残された。戦災復興事業で東京中に緑豊かな環状道路網を構想したのも石川栄耀氏。しかしその理想は一部しか実現していない。(河尻定)

東京・文京区の播磨坂にある環状3号。生い茂る桜並木が道路を彩る
播磨坂の環状3号は、戦災復興事業の一環で整備された。道路幅や緑の多さなどにその理想がうかがえる

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