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温かいソースの「赤い海」に浮かんだバニラアイス

世界のおやつ探検隊

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NIKKEI STYLE

 外で食べる……というのはさすがに厳しくなってきたが、冬でもアイスクリームを食べたい人は多いだろう。最近では「温かい炭酸飲料」も発売されました。それならアイスも「ホットで」と考えてもおかしくないのでは。そこでナショジオが結成した「世界のおやつ探検隊」が、冬でも"温かくいただける"アイスクリームを探してきました。

ヨーロッパでは毎年11月1日にお盆を迎える国がある。東欧の国、ポーランド(ポーランド共和国)だ。この日はカトリック教会の祝日である「諸聖人の日」なのだが、同国では家族でお墓参りをする習慣があるのだという。

そこで、ポーランドにもこの祝日にまつわるお菓子はあるのだろうかと訪ねたのが、東京・日本橋のポーランド料理の店「レストラン ポルスカ」。オーナーは、ポーランド北西部、ドイツ国境に近い都市シュチェチン出身のヤーレク・アブラムチェクさんだ。

「ポーランドのお盆にまつわるお菓子はないなぁ」と開口一番、ヤーレクさん。残念、と思っていると、彼が説明してくれたその日の様子がふるっていた。

「日本の墓地の雰囲気と違って、ポーランドのお墓は怖くないんですよ。だから、お墓参りのピークは夜なんです。ロウソクを持ってお墓に行ってお供えします。自分の家のお墓ではなくても、ロウソクのないところに置いて来たりするんですよ」

その様子を撮った写真を見せてもらうと、美しいのに驚いた。というのも、ロウソクは赤や黄色といったカラフルなビンの中で燃えているので、暗闇の中に幻想的な暖かい色が浮かび上がるのだ。無数のロウソクの火をとらえた写真はまるで大都市の夜景のようだった。

ヤーレクさんも少し自慢げに、「きれいでしょう。その日の墓地はものすごく混んでいるんです」と言う。実は、メキシコでもロウソクを灯し、夜通しお墓にたくさんの人々が集うらしい。11月1日の夜に世界の国々で灯されるロウソクの明かりを想像すれば、冬の寒々とした日も豊かな気持ちになれそうだ。

ポーランドのアップルパイはメレンゲが載る

さて、せっかくの機会だ。ヤーレクさんにポーランドのお菓子について聞いてみた。

ヤーレクさんがポーランドに住んでいたのは1989年まで。社会主義国だったポーランドに、ソ連や他の東欧諸国に先駆け非社会主義政権が誕生した年だ。「今では何でもお店にあるけど、僕が国にいた頃はお菓子もまず手作りでしたね。でも、食料が乏しいから、学校帰りのおやつはなかったな」と彼は思い返す。

その後、彼が移り住んだのは西ドイツ。同地の定番菓子アップルパイは、ポーランドでもよく食べるお菓子だという。ポーランドのアップルパイの呼び名は「シャルロッカ」。「ポーランドのリンゴは日本のものより香りも味も濃いんです。これに、シナモンやクルミ、アーモンドといったナッツ類などを混ぜてフィリングを作るんですよ」とヤーレクさん。

ここまでは、ドイツのアップルパイのレシピでも見かけることがあるなと思っていると、「ポーランドでは生地の上に材料を混ぜたリンゴを広げたら、その上にメレンゲを載せるんです」と言う。これは新鮮。また、ドイツ版アップルパイ「アプフェルシュトゥルーデル」とは異なり、パリパリの薄い生地ではなくタルトのような生地を使う。

ちなみに「ポルスカ」のシャルロッカは日本のケーキ風に三角に切り分けられていたけれど、現地では大きな四角い型で焼いたものを、四角く切り分けることが多いそう。

クリスマスにしか食べないお菓子『クティア』

話を聞く間、探検隊が紹介した過去のお菓子の写真を見ながら、ふとヤーレクさんの手が止まった。ハンガリーのクリスマス菓子「ベイグリ」を見ながら、「これはポーランドでもよく食べますよ、ケシの実ケーキですね」と言う。

ベイグリは詰め物にケシの実などを使った一種のロールケーキだが、ポーランドでは「マコーヴィエッツ」と呼ぶ。よく同国のクリスマス菓子として紹介され、彼自身の体験としては「クリスマス菓子というより、年中あるポピュラーなお菓子だよね」とのこと。

クリスマスに登場するお菓子はむしろ「ピェルニク」だという。「コショウケーキです」とヤーレクさんは説明したが、コショウやショウガ、シナモン、カルダモン、クローブなどのスパイスやハチミツを入れた黒っぽいケーキだそう。またクッキータイプのピェルニクもあり、これにアイシングなどでデコレーションしたものをクリスマスツリーに飾ることもあるという。

「ただし、絶対にクリスマスにしか食べないお菓子は『クティア』ですね」と続ける。小麦とケシの実をゆで、様々なスパイスや干しブドウ、ナッツ類を混ぜ冷蔵庫で冷やして食べるもの。「具材としてパスタの一種を入れたり、パンを入れたり、地方によって作り方が違うんです」(ヤーレクさん)。

実はクティア、もともとはポーランド東部国境地帯やその周辺の国々の伝統食で、ヤーレクさんがこのお菓子に親しんでいるのも、ポーランドの東側の隣国ウクライナ出身のお母さんの影響があるようだ。

さて、クリスマスを過ぎて年が明け2月を迎えると、ポーランドの人々が夢中になるのが「ポンチキ」というお菓子。丸いドーナツのような揚げ菓子で、中にはジャムが入っている。「今はラズベリーやスモモなどのジャムを入れることが多いけど、昔はバラの花のジャムが定番でしたね」とヤーレクさんは言う。

たっぷりかけられた温かいソースがバニラアイスにマッチ

ポンチキは年間を通してポピュラーなお菓子。しかし、2月に「旬」を迎えるのは復活祭(春分の後の最初の満月に次ぐ日曜日)の前の40日間、断食や節食を行う直前に食べるお菓子だから。

今では断食は行わないものの、「この日はこれしか食べない人もいて、『オレは15個食べたぞ』『オレは20個だ』なんて言い合ったりするんです」とのこと。ドーナツを1日に20個……正直、初めて聞いたときは数を間違えているのかと思いました。

最後に、お店で出しているポーランドのデザート「ゴロンツェ・マリニ」(ゴロンツェが温かい、マリニがラズベリーの意味)を出してもらった。

ホットラズベリーソースをバニラアイスに添えたものだとメニューと書いてあったので、温かいフルーツソースがかかったアイスクリーム程度に考え、ポーランドではお菓子にラズベリーソースをよく使うのかしらぐらいに思っていたら、出てきたものはたっぷりとした温かいソースにバニラアイスクリームを浮かべたデザート。

いただいてみると、酸味の効いた温かソースと冷たいアイスクリームの相性が抜群。赤と白の色のコントラストもきれいで、これからの季節にも食べたいアイスデザート発見です。

今回のおやつの生息地
レストラン ポルスカ
東京都中央区日本橋小網町9-6 NST小網町ビルB1F
電話:03-6661-1778
ホームページ:http://r.gnavi.co.jp/gcmv501/

[Webナショジオ 2013年11月15日付の記事を基に再構成]

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