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働き方・学び方
僕たちはどう働くか

2014/4/1

僕たちはどう働くか

宮城県南三陸町の防災対策庁舎前で、地震発生時刻に合わせて黙とうする人たち(3月11日午後2時46分)=共同

東日本大震災でも、自治体職員の多くが亡くなりました。南三陸町の職員は町民に最後まで避難誘導を続け、結果として職員の約3分の1が津波の犠牲になったと聞いています。災害時、いざというときに市民を守るのが行政職員だと私は思っています。その大切な仕事を行う職員が、生活が続けられないと離れてしまうことは市にとって大きな損失なのです。

サービスを維持するため、夕張市は多くの自治体から派遣職員という形で20名前後の職員の方から力を借りてなんとか運営しています。それでも、永遠に派遣職員に頼り続けるわけにはいきません。継続的に行政を運営するため、将来的には、夕張のことを誰よりも深く愛し、考え、行動する地元の職員が主体になれる行政執行体制を作りたい。以前ご紹介した、「三者協議」のなかでも協議し、国、道の皆さんとこの意識は共有してもらい、賞与の回復に加えて、採用人数も2名増やすことになりました。それでも、「全国最低水準」の給与であることに変わりはありません。

規模の小さな自治体における市役所の職員はある程度の「消費規模」にもなります。職員の給与を下げることは、地域の活力を下げることにつながってしまいます。

限界を超え、退職歯止めかからず

今回の変更にいたるまで、夕張市の職員は厳しい労働環境のなかでよく頑張ってくれていると思います。平成18年度から平成24年度までに、事務及び事業の見直し、組織の合理化などまさに前例のない歳出削減に取り組み、平成17年度までと比較して合計で約113億8千万円もの歳出削減を実施してきました。そのなかで、もっとも寄与しているのが削減額の半分以上にあたる約63億8千万円にのぼる人件費でした。実は、削減金額は、想定よりも多いものです。残念なことに、覚悟していた管理職の退職に加えて働き盛りの職員が想定以上に退職したからでした。夕張の市税収入は毎年約8億円なので、この削減は本当に日々「限界への挑戦」だと痛感しています。

財政再生団体になると再生計画を実行するため、足りない収支を補う目的として総務相に認められている地方債があります(=再生振替特例債)。大きな削減努力の結果、昨年度末までにこの債務を約51億円返すことができています。しかし、限界に近い削減努力の代償として職員の退職があいつぎ、体調不良で仕事が続けられなくなった職員が増加したり、せっかく新たに就職してくれた人材が生活不安から同年度中に退職したり、という悪循環にも陥りました。結果、行政サービスの低下、市民生活への不安に跳ね返ってきます。

むやみに給与をあげる必要はありませんが、「職員給与の削減」のみで経費の削減を行う、というのは「市民と職員の首の締めあい」です。仕事は費用対効果です。今いる職員が安心して働き続けられる、という意味でも、新たな優秀な人材に地域再生に携わってもらう、という意味でも、夕張の経験を踏まえ、適正な待遇提供は必要だと強く思います。

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