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働き方・学び方
僕たちはどう働くか

2014/4/1

僕たちはどう働くか

雪の積もった夕張市役所

私が派遣職員だったときも「夕張で結婚して子どもが生まれた。夕張にずっといたい。けれどもこれでは生活できない」と、ともに仕事をしていた働き盛りの仲間たちが夕張を離れていく姿を見てきました。早期退職をうながすため、段階的な退職金のカットも行ったので、定年退職を控えた部長、次長は全員、課長、主幹は5名を残して退職し、53名いた管理職は10分の1になりました。また、管理職の一斉退職を受けて、平職員が経験の無いなか管理職となるなど、混乱のなかで重責を担う精神的な負担や給与削減による生活不安などから、まだ転職できる働き盛りの30代を中心に、ともに働いた仲間を残し、苦渋の選択を迫られるなかで退職していきました。ベテランも含む260人いた職員は現在105人、半数以下です。課題は山積、仕事量は増えるなかで残された職員は遅くまで懸命に働いていました。

最初のころ、一番驚いたのは、市役所の経費削減のために午後5時になると暖房を切ることです。冬はマイナス20度ちかくになることもあり、室内でもマイナス5度だったこともありました。退職者が相次ぐなか、引き継ぎもろくにできずひたすら資料を引っ張り出してパソコンにむかい入力する作業を繰り返していました。退勤時間をすぎた午後5時をすぎても誰一人気にとめず作業をしていました。

やがておもむろにみんな立ち上がり、スキーウェアやベンチコートを着て手袋をはめ、再びパソコンに向かって作業を始めました。暖房がすべて切れ、マイナス20度ちかい外気がドアの隙間から入ってきたときの冷たさは、痛いくらいです。手袋をしているのでパソコンは打ちづらい。けれど素手だとあまりの寒さで指が動かない。キーボードを打つと寒さで指が痛みます。その状況で深夜まで働く日々が毎日続く。私は当時「とんでもないところへきてしまった」と思いました。

経費削減は今でも続いていて、市役所では午後5時になると暖房を消しています。ただし、今ではこの話がマスコミに取り上げられたこともあり、有難いことにポータブル石油ストーブの寄附がありました。どうしても残業する際はこのストーブを使っています。

深刻な人材不足に

私が市長になってからも、残念ながら職員の退職にはどめはかかりませんでした。市の職員は、市民の皆さんにとって大切な財産です。市民生活の基盤になる行政サービスの多くを担うのは、市の職員なのです。

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限界を超え、退職歯止めかからず