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働き方・学び方
僕たちはどう働くか

2014/4/1

僕たちはどう働くか

加えて夕張には、財政再生団体としての特殊な事情があります。再生計画のなかで「行政執行体制の確保に留意しながら、人口規模が同程度の市町村で最も少ない職員数の水準を基本として、夕張市の地域特性等を考慮しつつ職員数の適正化を進めるとともに、職員給与についても全国の市町村の中で最も低い水準を基本として、適切な比較のもとで削減を行う」というルールがあります。つまり、「サービスは下げないように注意しながら、人数を最少に減らしなさい。給与も最低レベルにしなさい」ということです。さらに夕張は、そのルールのなかであっても職員給与を変更するときには総務相の同意が必要になるのです。

財政破綻後、財政再建計画において、18年間、年収平均40%カットとなった

根本的に多くの自治体の財政状況には、ハンドルの「あそび」となる余地はあまりないのです。市民から「このサービスをこう改善してほしい」と要望があったとします。実施するには当然追加費用がかかるのですが、余剰資金はない。新しい資金を生みだすか、どこかを削って作る以外ないのですが、調整弁として使えるものは「職員の給与削減」くらいしかなくなっているのです。また、「公務員の給与を削減する」と選挙でうたえば、公務員バッシングのなか有利に働くこともあり地方公務員の給与削減を加速している現状もあります。

「課題に応え、行政サービスを改善してほしい」という市民の願いに対する答えとして「公務員の給与を削減し資金を作る」というのは、その場はしのげても根本的な解決にはなりません。それどころか、ゆきすぎた給与削減は人材の流出をまねき、行政サービスの低下につながります。その最も厳しい例が夕張かもしれません。

厳しい給与カット

今回、4日に総務相に同意をいただいた計画変更で、夕張市の市職員は年収ベースで平均約5%回復することになりました。公務員の「給与」は、基本給である「給料」と、諸手当で構成されています。諸手当とは、残業代や通勤手当、そして冬場になると寒冷地特有の灯油代などを手当てする「寒冷地手当」が支給されます。

財政破綻後、夕張市の職員の給与は計画のもとで運営される18年間、年収平均40%カットと決まりました。普通、公務員は良くも悪くも生涯収入が計算しやすい職種です。公務員は、民間の労働者が「組合」を作り、待遇の改善などを求めて雇用側に働き掛けること(団体交渉権、争議権など)に制約を受けています。そのかわりに先ほどふれた、人事院や人事委員会による「給与勧告」等で待遇を定期的に見直し、結果として給与の安定が保証されているのです。ところが、夕張市の職員は破綻により年収平均40%カットされました。当然のことですが、退職した後の年金支給にも大きな影響を受けます。

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