酒を愛する人の楽園食を愉しむ旅(3)ナショナル ジオグラフィック日本版

ナショナル ジオグラフィックがセレクトした世界の食を愉しむ旅。3回目の今回はドイツのビール、フランスのシャンパーニュ、英スコットランドのシングルモルトを堪能する酒を愛する人の楽園を巡る旅をお届けします。

~ドイツ ミュンヘンのオクトーバーフェスト~

熟練の技を持つウェイターやウェイトレスが、たくさんのジョッキをテーブルに運ぶ(C)Norbert Eisele-Hein/imagebroker.net/www.photolibrary.com

ミュンヘンの秋恒例のオクトーバーフェストは、ドイツビールの栄華を称える、活気に満ちた祭典だ。

期待感が「ショッテンハメル」の巨大テントに充満する。木製のテーブルについた6000人の人々は、朝10時からのどの渇きに耐えているのだ。ついに正午を迎えると、ミュンヘン市長が小槌で最初の樽を開け、みんなから「オツァプト・イス(酒が出た)!」という叫びが上がる。それがオクトーバーフェスト(十月祭)の開幕の合図となる。

オクトーバーフェストは、1810年にバイエルン皇太子ルートヴィヒ(後のルートヴィヒ1世)の結婚を祝して始められ、今では世界的な人気を誇る祭典へと発展した。来場者は毎年600万人以上にのぼる。

14張りの巨大なテントは、最古の伝統を誇る「ショッテンハメル」から、牛を丸焼きにしている「オクセンブラテライ」まで、それぞれに個性的だ。各テントでは、ミュンヘンの6つの醸造所がオクトーバーフェストのために造った特製のラガービールが飲める。「バインツェルト」という比較的小さなテントでは、ビールに加えて上質のドイツワインも出している。

オクトーバーフェストでは伝統の料理にも舌鼓を打ちたい。ブラートヘンドル(パセリを詰めたローストチキン)はすべてのテントの大型ロースターで焼かれ、おいしそうな匂いを漂わせる。シュバイネハクセン(豚足)、シュテッカールフィシュ(魚の姿焼き)、ブレツェル(大型のプレッツェル)なども人気の的だ。

ウェイトレスやウェイターは、時には12個ものジョッキを手に、相席の長テーブルへと向かう。

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ベストシーズン  名称は「十月祭」だが、オクトーバーフェストは毎年9月中に開幕し、10月の第1日曜日まで16日間にわたって続く。週末は平日よりも祝祭気分が盛り上がるが、混雑するので、席の確保は難しい。

旅のヒント  予約は早めに。間際になるほど航空券や宿泊料は高くなる。公共交通機関が充実しているので、会場から多少遠いホテルでも問題はない。前金を払えば、テントのテーブルは予約可能。

ウェブサイト www.oktoberfest.de

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