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定年世代 奮闘記

好奇心でのぞいた葬祭の見学会、驚きの連続 定年男子の終活見聞録

2012/10/6

 人生の終盤に備える「終活」という言葉をよく耳にする。「まだ65歳。そんなの早い、早い」と笑い飛ばしていたが、最近は、同年配または少し年上の身内、知人から、病気入院の知らせや、時には訃報が届くようになった。そのたびに、「もういい年なのだ」と思い知らされてしまう。

■「縁起でもない」と思いつつ、ひやかし半分で見学会に

葬祭会館「ラステル新横浜」での仏衣のファッションショー(横浜市港北区)

 猛暑の中でそんな縁起でもないことを考えていたこの夏、JR新横浜駅の近くに9階建ての葬祭会館がオープンした。霊園販売や葬儀などを手掛ける葬祭会社、ニチリョクの最新施設だ。案内チラシには「あらゆる葬送のかたちに対応できる究極の葬儀式場」とある。自宅に近いから、ひやかし半分のつもりで見学会に出かけてみた。

 施設、設備は予想以上に立派なものだった。参列者の多い一般葬から、20人程度の少人数の家族葬、自宅のようなくつろぎの空間で別れの時間を過ごすリビング葬、儀式なしの直葬まで、用途に応じた部屋が各フロアに並ぶ。

■2日間で見学者1000人 多さにびっくり

 主催者によると、見学者は2日間で1000人近くに上った。葬祭場の見学会にこれほどの人が集まることに、まず驚かされた。高齢夫婦や老親と一緒にやって来た家族連れが多い。

様々なデザインの骨つぼ(横浜市港北区)

 葬式に関する不安の一つは、あいまいで不明瞭な費用だとよくいわれる。見学者の関心もやはりそこに集中した。日本消費者協会の全国実態調査では、葬式費用総額は平均約200万円との結果が出ているが、ここでは家族葬だと約60万円、直葬だと約30万円で収まる。相談コーナーには、料金表を前に自分の葬式費用の算段をする人が目立った。

 老齢の父親と子供は、「オレはカネのかからない簡単な方式で送ってくれればいい」「でも、親せきや世話になった人の手前もあるし……」などと、額を寄せ合って考え込んでいた。結論はなかなか出そうにない。

 私も軽い気持ちで相談の席に着いてみた。以前は「自分の葬式などしなくていい」「家族だけで簡単に済ませれば十分」などとお気楽なことを言っていたのだが、よく考えると「親せきや親しい知人を呼ばないままでは、相手に悪いかもしれない」「残った家族の肩身が狭くならないか」などという心配が頭をかすめる。

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