エンタメ!

エンタウオッチング

動画配信サービスの人気を2分するニコ動とYouTube 日経エンタテインメント!

2012/6/4

ユーザーから高い支持を得て拡大し続ける「ニコニコ動画」。そして、世界共通のプラットフォームで高いマーケティング力をウリとする「YouTube」。“投稿動画”から始まった2社が席巻する動画配信業界。スマートフォンの伸長で今後活性化しそうなモバイル系も含めて、最新事情を紹介する。

国内動画配信の歴史は意外と古く、個人向けブロードバンドサービスが普及期に入った2000年ごろから、映画やドラマ、アニメなどの配信サービスが展開されていた。しかし、キラーサービスと呼べるほどの存在は生まれてこなかった。

光明が見え始めたのは2006~2007年ごろ。一般人が撮影&制作した「ユーザー発」の映像を配信できる動画共有サービス──「YouTube」と「ニコニコ動画」が急速に広まったあたりから。どちらも当初は、コンテンツの無断配信や改変など違法性が問題となったが、前社はGoogleの傘下となり企業性を高め、後者はボーカロイド「初音ミク」などを契機に人気サービスに成長した。

同じくユーザー発で、少し遅れて始まったのが、“生中継”に特化した「USTREAM」だ。2010年12月には、宇多田ヒカルの横浜アリーナ公演の模様を配信し、34万5000人もの視聴者を獲得。専用スタジオ「USTREAM Studio」「同+」を全国展開している。このように、動画配信でブームを起こしているのは、ユーザー発のものが多い。

一方、従来型──事業者側がコンテンツを配信する「公式型」にも、動きが出始めている。目立つのは、海外勢の参入だ。2010年、アップルが「iTunes Store」にて国内外の大手配給会社の映画作品の配信を開始。2011年にはNBCユニバーサルらが共同出資する「Hulu」の日本版がスタート。パソコン、スマートフォン、テレビと、場所を選ばないシームレスな視聴環境を提供している。

■ニコ動を中心にシーンを形成

群雄割拠の動画配信市場だが、「現状、国内で頭ひとつ抜けた状態なのはニコニコ動画」──そう語るのは、ネット事情に詳しいジャーナリストの津田大介氏だ。

津田大介(つだ・だいすけ)氏 1973年、東京都生まれ。ジャーナリスト。主著に『Twitter社会論』『情報の呼吸法』など。ニコ動で、政治・社会系の様々な番組のMCを担当。講演会の中継などをUSTREAMでも多数発信している。

津田氏は「ニコ動はもはや動画配信サービスではなく、“動画を起点にしたソーシャルメディア”と見るべきだ」と言う。「みんなで今見ている映像に対してツッコミを入れながら盛り上がれる、あの感覚を知った人がテレビに物足りなさを覚えてしまう。そんな価値観の提示に成功しました」。

ニコ動の人気映像といえば、前述の初音ミクや一般人が歌ったり踊ったりしたもの、小沢一郎による公式動画配信など、今のテレビとは一線を画した、隙間を突いたものが中心だ。さらに、4月に開催され大きな話題を呼んだ「ニコニコ超会議」など、ドワンゴが積極的に仕掛けるリアルイベントが、拡大を後押ししていると言う。「ユーザーがパソコンの前からリアルの場に飛び出す状況を作り、ファンを増やした。ニコ動は、映像、コミュニケーション、イベント体験を武器に“ニコニコ文化”ともいえるひとつのカルチャーを作り上げているんです」。

エンタメ! 新着記事

ALL CHANNEL