南米・氷河トレッキングの旅おとなの冒険 上級編(6)ナショナル ジオグラフィック日本版

世界に名だたる探検家の足跡を追いかけてきたナショナル ジオグラフィック誌がセレクトした特別な旅のプランを紹介する「一生に一度だけの旅 おとなの冒険」。上級編6回目は南米・氷河トレッキングの旅をお届けします。

~英領サウスジョージア島 探検家シャクルトンの足跡をたどる~

シャクルトン・ギャップから稜線を登る登山家たち。その向こうにマレー雪原が広がっている (c)Grant Dixon/Lonely Planet Images

南極の海の孤島で雪と氷を横断する驚異の旅。隊員たちを救うために、シャクルトンが生死を賭けて歩んだルートをたどる。

英国の探検家アーネスト・シャクルトンは、1916年、サウスジョージア島を横断した。彼の船が沈没し、氷海にとり残された乗組員たちを救うため、シャクルトンと二人の隊員は、キング・ハーコン湾からストロムネス湾にある捕鯨基地を目指し、36時間ひたすら進んだのだ。

ガイドをともなって、このシャクルトンの旅を再現することができる。キング・ハーコン湾からシャクルトン・ギャップを登り、幅8kmものマレー雪原を渡って、トライデント・リッジの稜線(りょうせん)を伝う。突風が吹きすさぶ頂上に立つと、眼下に広大なクリーン氷河が広がる。

この氷河とフォルトゥナ氷河を越えて、山あいに向かう。次の目的地、フォルトゥナ湾がはるか下に見える。湾にはゾウアザラシやオットセイが群がり、ペンギンのコロニーもある。最後の区間は、海岸沿いをストロムネス湾まで進んでいく。

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ベストシーズン  1月と2月。夏は天候が厳しく、冬は極度に寒い。

所要日数  39kmの道のり。天候に恵まれれば2泊3日で横断できる。

旅のヒント  このトレッキングに挑むなら、極寒の地で氷河を横断したり、そこでキャンプをしたりといった経験が必要になる。打ちつける暴風に耐えうる寝袋とテントを持参すること。そのほかの必需品については、ツアー会社からリストをもらえるだろう。レンタルできる場合もある。

とっておき情報  臆病な人には向かない旅だ。嵐で足止めされる可能性もあるし、悪天候により、直前になって旅が中止となる場合も考えられる。

【見どころと楽しみ】
■鳥たちとの素晴らしい出会いが待っている。フォルトゥナ湾には、アザラシはもちろん、トウゾクカモメや何千頭ものオウサマペンギン、マカロニペンギンがいる。そのほかにも、サウスジョージア島固有種のカモなどがいる。また、海に向かえばアホウドリやウミツバメ、ナンキョククジラドリの姿も見つかる。
■マレー雪原の向こうから、トライデント・リッジがあなたをいざなう。標高1200mを超す尖峰だ。
■クリーン氷河(シャクルトンとともに、サウスジョージア島を横断した隊員の一人、トム・クリーンにちなんで名づけられた)は、氷と雪の広大な平原。クレバスが縦横無尽に走り、ヌナタク(氷河の表面から突き出している凍結した孤峰)があちこちに点在する。
■ストロムネス湾にある小さな墓地は、捕鯨員たちの厳しい生活を物語っている。そこには、ストロムネスの捕鯨基地で作業中に命を落とした者たちが葬られている。