「頭痛に効く」看護師寮をのぞいてみた

2013年11月に完成した獨協医大病院の新看護師寮

若手医師や医学生向けのWebサイト「日経メディカルCadetto」の連載打ち合わせで、2013年春に獨協医科大学・神経内科准教授の辰元宗人氏を訪ねた。そのとき、部屋の窓から建築中の建物が目に入った。

聞いてみると、11月に完成予定の新しい看護師寮だという。そこで「ある仕掛け」を試みる予定だと辰元氏は話した。「完成したらぜひ見学させてほしい」とお願いしておいたところ、年明け、入居間もない看護師さんの部屋にまで入れてもらって、その「仕掛け」を実感する機会を得た。

「経験上、看護師さんたちの2割くらいは片頭痛を抱えている」と認識する辰元氏が新築の寮に仕掛けたのは、内装の段階での“介入”。頭痛を減らせるようなインテリアを半数の部屋に施したというのだ。

インテリアデコレーターの尾田恵氏と獨協医大の辰元宗人氏

部屋のインテリアを担当したのは、菜インテリアスタイリング(大阪市西区)代表取締役で、インテリアデコレーターの尾田恵氏。医学的な知見を背景にして健康につなげるインテリアプランニング、「アクティブケア」に辰元氏とともに取り組む彼女に、「頭痛にやさしい」部屋のポイントを解説してもらった。

明るすぎない、白っぽくない

頭痛に悩む看護師たちのために取り入れた「アクティブケア」の特徴は、一言で表せば「明るすぎない、白っぽくない」部屋だ。

不動産業界で新築物件を販売する際の基本は、明るさをアピールすること。しかし最近、「明るさを抑えた住環境が心身に優しく、居心地もいいというコンセプトが徐々に受け入れられてきている」と尾田氏は語る。

一方の辰元氏は、片頭痛患者の「発作のときに自宅の照明がまぶしくてつらい」という悩みを聞いて、照明環境を頭痛治療に役立てる研究に数年前から着手。片頭痛患者は視覚感受性が高く、色温度の高い白色LEDを不快に感じる。コントラストの強い模様も頭痛発作の誘因になるといったことを確かめている。

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