日本一長い地下通路、歩いてみたら…東京ふしぎ探検隊(1)

八重洲ルート、07年につながる

八重洲地下街からグラントウキョウサウスタワーへの通路

東京駅の地下はなぜ長いのか。理由の一つには、地下鉄が複雑に入り組んでいることがある。

東京駅周辺には東京メトロの丸ノ内線、東西線、千代田線、半蔵門線、銀座線、日比谷線、有楽町線、都営三田線の駅があり、それぞれが地下通路を持っている。USJの粕谷さんは「地下鉄を作ったとき、作業用の通路も作った。埋め戻すにはコストがかかるため、これがそのまま地下通路に転用された側面がある」と指摘する。

もう一つの理由が、再開発だ。もともと存在していた地下鉄通路や地下街などの空間が、民間ビルの竣工に伴い次々とつながっていった。例えば今回1位となった八重洲ルート。2007年までは、大手町から歩いても八重洲地下街までしか行けなかったが、同年に「グラントウキョウ(サウスタワー)」が完成し、京葉線地下ホームと接続。東銀座まで歩いて行けるようになった。

同じ年には(2)の丸の内ルートも開通している。この年に「有楽町イトシア」が誕生し、分断されていた地下道が通れるようになったのだ。地下鉄副都心線の開通で一気につながった新宿駅周辺や、公共地下道が開通した札幌駅など、利便性を追求した民間企業とそれを後押しした行政の姿勢が、地下空間を次々と広げている。

京葉線の改札はなぜ遠い?

最長約4キロのルートの出発点となる

最長約4キロの地下空間。実際に歩くとどんな感じだろうか。日経新聞社の隣、JAビルの地下を起点に、東銀座まで歩いてみた。

JAビルから地下鉄千代田線大手町駅の横(C2b出口付近)を抜け、「東京駅」の案内看板を目印に歩を進める。薄暗い地下通路を途中で右に曲がったり左に曲がったりしながらひたすら歩く。東京駅一番街、八重洲地下街をぶらぶらした後、グラントウキョウサウスタワーの地下を抜けると、それまでのにぎわいとは対照的な静かな空間が待ち受けていた。JR京葉線の改札だ。広大な空間の割には人が少なく、同じ駅とは思えないほど。それにしても同じ東京駅といいながら、京葉線の改札はどうしてこんなに離れているのか。

その謎を解く鍵は、幻となったある計画にある。その名も「成田新幹線」。旧国鉄時代、1970年代に持ち上がった構想で、成田空港から東京駅までを30分ほどで結ぶ予定だった。一部区間は認可を受けて実際に工事まで進んだが、沿線住民の反対で事業は凍結。JR発足を前に、計画は幻となった。

この「成田新幹線」の東京駅予定地こそが、現在の京葉線東京駅だ。目の前にある東京国際フォーラムは、かつて東京都庁があった場所でもある。京葉線の改札が遠くにある背景には、こうした歴史的経緯があったのだ。