日本一長い地下通路、歩いてみたら…東京ふしぎ探検隊(1)

2011/4/27

東京ふしぎ探検隊

網の目のように張り巡らされた都会の地下通路や地下街。雨の日や寒い日に助かる半面、場所によっては巨大な迷路のようになっており、迷うこともある。では、地上に出ずに地下だけでどこまで行けるのだろうか。全国で最も長い距離を歩ける地下通路を探し、歩いてみた。

大手町から東銀座が最長 札幌3位、梅田は5位

一番長いのは東京駅周辺だった。調査したのは「都市地下空間活用研究会」(略称USJ、事務局東京都文京区)の主任研究員、粕谷太郎さん。USJは産官学の専門家が作る任意団体だ。全国の主要な地下通路の中で、同一地点を通らないで歩くルートを調べた。

やはりというべきか。広大な地下空間が広がる東京駅周辺が圧倒的に長い。1位のルートは大手町から東銀座まで、なんと4050メートル。2位の新宿駅周辺より1キロ以上長かった。そして3位に食い込んだのが、3月12日に開通したばかりの「駅前通地下歩行空間」を含む札幌駅周辺だ。大阪では、なんばの方が4位と長く、大規模地下街が集まる大阪・梅田は5位にとどまった。

東京駅周辺には地下街や通路が多く、大手町から東銀座まで歩く経路は1位のルートを含め、大きく分けて3つある。(1)JR東京駅の東側、八重洲地区を通るルート(2)東京駅の西側、丸の内地区を通るルート(3)東京駅の西側で、皇居寄りの日比谷付近を通るルート――だ。調べてみると、それぞれ概算で(1)4050メートル(2)3450メートル(3)2500メートルだった。3つもルートがあるほど、このエリアには地下空間があふれている。順位表には、最も長い(1)のルートを代表として掲載した。

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