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なぜ「仮面ライダー」で若手俳優は成長するのか

輝く男の発掘・育成法(2)

日経エンタテインメント!

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NIKKEI STYLE

 若手俳優がどのように発掘・育成されているのかを紹介するこの連載。第2回目は、子供向けのテレビドラマである「仮面ライダー」や「スーパー戦隊」の両シリーズが、無名の新人から人気俳優への登竜門となっている昨今の事情を解説する。

これまで多くの人気男性俳優を輩出してきたのが、仮面ライダーシリーズとスーパー戦隊シリーズだ。ともにテレビ朝日系で放送されている二つの人気シリーズは、合わせて「特撮ヒーロー番組」と称されている。

どちらも主役は毎回、オンエアが始まる半年前からオーディションを行い、まだ演技の経験が少ない新人の中から選ばれることが多い。人気俳優の登竜門として定着したことから、最近では男性の俳優を擁する各芸能プロダクションは有望な新人をオーディションに送り込んで、主役獲得を目指している。

特に仮面ライダーシリーズの主演経験者には「仮面ライダークウガ」(2000年)のオダギリジョー、「仮面ライダーアギト」(2001年)の賀集利樹、「仮面ライダーカブト」(2006年)の水嶋ヒロ、「仮面ライダー電王」(2007年)の佐藤健、「仮面ライダーキバ」(2008年)の瀬戸康史らがいる。主演以外を見ても、「仮面ライダー555」(2003年)ではスパイダーオルフェルノクという敵キャラに変身する青年を綾野剛が演じ、「仮面ライダーカブト」(2006年)では仮面ライダーサソード役を山本裕典が演じるなど、スター輩出率が高い。

狙って起用したイケメン俳優

仮面ライダーに主演することが人気者の登竜門になったのは、たまたまそうなったのではなく、「狙い通りだった」と語るのは、仮面ライダーシリーズとスーパー戦隊シリーズの制作を手がける、東映の専務取締役・鈴木武幸氏だ。

鈴木氏は、少子化もあって一時期、人気にかげりが見えていた仮面ライダーシリーズを10年間休止するという決断をして、親と子どもの二世代に支持されるソフトになるまで熟成を待ったと言う。2000年に平成仮面ライダーとしてシリーズが再開するときには、主人公を演じる俳優についても、従来と考え方を大きく変えた。

「子どもと一緒に番組を見ているお母さんたちは、亭主よりもかっこいいイケメンが出ているのなら、抵抗なく、応援してくれるものです(笑)。だから、以前の仮面ライダーを演じる俳優は、アクションが似合う武闘派のイメージがある、武骨なタイプが多くて、年齢も高めでしたが、平成仮面ライダーでは若いイケメン系の俳優を起用して、若々しいキャラクターにしました。初期の仮面ライダーにあった改造人間という暗く陰のある部分も描くのをやめて、変身した後もナマっぽい生物的なスタイルから時代を引っぱるクールなデザインに変えて、子どもや女性が見やすいライダーにしました」(鈴木氏、以下同)

平成仮面ライダーシリーズ第1弾の「仮面ライダークウガ」は、オダギリジョーが主演して注目を集める。狙い通りに母親世代の女性の人気を得ることに成功しただけでなく、独身女性からも支持を得るという想定外の効果があった。

仮面ライダーの主演が注目を集めるのは、番組の注目度の高さに加えて、俳優を成長させてくれる番組だという面も大きい。

新人俳優を主役に起用する貴重な番組で、しかも、放送期間が1年間にわたるドラマは、現在ではほかにはNHK大河ドラマくらいしかない。撮影はほぼ毎日で、テレビのほかに、劇場版映画の撮影も同時進行で行われ、イベントも開催される。

撮影が休みの日には、1時間刻みで雑誌などの取材を受けることも多い。新人の頃から多くの取材に対応することから、演技や自分自身について話をして発信することについても、ほかの俳優と比べて、慣れている。

「主人公が成長していくストーリーになっていますし、それを演じる俳優も、番組が始まるころはみんな演技がまだまだですが、監督に叱られてハードな撮影スケジュールの中で鍛えられているうちに、どんどんうまくなる。初期の頃はオーディションを行っても、いい人材はそう多くなかったものですが、最近は各芸能プロが次のスターにしたい隠し玉をオーディションに送り込んでくれるようになりました。それは、俳優の所属事務所にとっても、"新人を育ててくれる作品"として、ぜひそこに入れていきたいと考えるようになったのだと思います」

一方、スーパー戦隊シリーズで主演した俳優には永井大、金子昇、塩谷瞬らがいるが、最近の出世頭は、2009年に放送された「侍戦隊シンケンジャー」でレッド役を演じた松坂桃李だろう。

仮面ライダーシリーズと比べると、その後に大ブレイクした俳優は、やや少ない印象がある。その背景には、仮面ライダーとスーパー戦隊シリーズのストーリーの作り方の違いが関係している、と鈴木氏は分析する。

「仮面ライダーはダブル主演だった『仮面ライダーW』を例外として基本的には単独ヒーローなので、個性が強いタイプの俳優をキャスティングします。それに対して、スーパー戦隊シリーズは、色分けされた複数の登場人物が活躍する、グループヒーローものです。オーディションでもキャラそれぞれの個性を補完できることと、協調性を考慮して選びます。必ずしも、すべてのヒーローに、イケメンばかりが起用されるとは限りません」

スーパー戦隊シリーズ出身の松坂桃李が、家族をテーマの一つにしたNHK朝ドラ「梅ちゃん先生」で活躍したのは、象徴的と言えるかもしれない。

「スーパー戦隊シリーズでは、隣のメンバーの色が混じるくらいに、淡い感じの俳優が起用されることもあります。そうした持ち味を持つ俳優が必要とされる作品も多いと思います」

ブルーバックでの演技も必須

特撮ヒーロー主演俳優が経験する要素は、ほかにも多い。合成が多いため、ブルーバックでアクションをする技術を会得するほか、変身した後のシーン(演じているのはスーツアクター)につけるアフレコが行われるので、声を使った芝居も要求される。そこで得た技術を評価されて、特撮ヒーロー番組が終了してから、声優やナレーションで活躍を見せる俳優も少なくない。松坂桃李も、2012年1月に公開されたアニメーション映画「ドットハック セカイの向こう」で主要キャラクターの一人の声優として起用された。

新しい試みとして、東映は2012年から特撮ヒーローを卒業した俳優が主演を務める映画シリーズ「TOEI HERO NEXT」をスタートさせた。

特撮ヒーロー出身の俳優が、出演していた特撮ヒーローとしてではなく、新たなキャラクターを演じる内容になっているのが特色。第1弾として、2010年放送の「仮面ライダーオーズ/OOO」で活躍していた渡部秀と三浦涼介がコンビを組んで、人間が石化する事件の謎を追うという内容の「PIECE~記憶の欠片~」が2012年9月に公開。主題歌は三浦涼介が歌った。鈴木氏によると「観客の多くは女性」という。

これまでは1年間の番組のオンエアが終わると、出演俳優は特撮ヒーロー制作サイドから"独立"してしまっていた。特撮ヒーロー出身俳優の女性ファン層にターゲットを絞り、彼らをうまく生かす企画として、この映画シリーズの今後の展開が注目される。

(次回は12月10日掲載)

(ライター 高倉文紀)

[日経エンタテインメント! 2012年11月号の記事を基に再構成]

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