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学生たちの春秋を20年にわたってみつめてきた(今春の東京六大学は早大が優勝)=共同

学生たちの春秋を20年にわたってみつめてきた(今春の東京六大学は早大が優勝)=共同

「YELL(エール)」というミニコミ紙をご存じだろうか。東京六大学野球を愛する1人の女性が、取材、執筆、割り付け、印刷、配布まで孤軍奮闘している小さな新聞だ。発行部数わずか200部だが、球場近くで手渡されるこの新聞を楽しみに神宮へやってくるファンも多い。このほど創刊から20周年を迎え、六大学OBの有志たちが自然発生的に集まり、祝賀会を開いた。

東京六大学野球だけを取り上げる小さな新聞、YELLの記者兼、編集長兼、カメラマン兼、コピー係兼、配布役と、1人で何役もこなすのが岡田淳子さんだ。

春秋のリーグ戦はすべてスコアを付けながら、プレーボールからゲームセットまで取材し、試合結果とその解説、次週対戦の見どころなどを記事にしている。紙面は4ページ建て、B4版の1枚紙を2つ折りにし、裏表に印刷している。

普通の人生のレールからは「外れて」しまったけれど

東京六大学野球は土日に対戦があり、1勝1敗になると決着を月曜日に持ち越す。その間に引き分けや雨天中止をはさむと、火曜日、水曜日までもつれ込むこともある。

普通に会社勤務をしていたのでは到底、全試合を取材できないため、岡田さんは平日夕方以降に主に勤務する派遣社員の道を選んだ。「六大学野球中心の生活になり、普通の人生のレールからは完全に外れてしまった」と苦笑する。

リーグ戦の全試合をカバーするため、自由のきく派遣社員の道を選んだ(発刊20周年記念パーティーで挨拶する岡田さん)

リーグ戦の全試合をカバーするため、自由のきく派遣社員の道を選んだ(発刊20周年記念パーティーで挨拶する岡田さん)

法政大学OGで、もともと六大学野球が好きだった岡田さんがYELLを創刊したきっかけは、高校野球やプロ野球に比べて、六大学野球に関する情報が極めて少ないことだった。

神宮球場で手に汗握る好ゲームに興奮しても、翌日の新聞にはほとんど記事が載っていない。ならば自分で新聞を作ってやろうと思い立ったのが、大学卒業から3年後のこと。以来、号を重ねて20年、姉で早稲田大学OGの啓美さんに取材と配布を手伝ってもらいながら今シーズン、創刊から250号を超えた。

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