保育園の送り迎えだけを任せたのは、「片づけや洗濯、掃除はどんなに溜まったり散らかっても先送りしてしまう妻だが、送り迎えだけは『先送りができない』役割」だから。

「それでもまだ文句を言われるんですよ。『世のお父さん方は、みんなお迎えに行ってくれる』って。他のことをすべて引き受けているのにコレですからね(苦笑)」

(写真はイメージ。本文とは関係ありません)

出張時には作り置きのできるおかずを仕込んで出かける

吉岡さんの仕事も忙しさを増し、出張の機会も増えてきた。最近では、月1ペースで3、4泊程度の出張が入る。その間の、妻と娘の食生活が心配で、シチューやハヤシライス、煮物など、作り置きのできるおかずをたっぷり仕込んでから出張に出かける。そんな姿に、妻も感謝の気持ちを表してくれるようになった。

出張では、全国各地の営業所に出向く。その土地の名物を買って帰り、その日の夜の食卓に出す。「こんな食べ物があるんだ!」「おいしいね!」…妻と子どもの笑顔が、出張の疲れを吹き飛ばしてくれる。

「以前は、『なんで僕だけ』という思いもありましたが、今は全然ありませんね。共働きの家庭は多いでしょう? その際、世の中的には家事を引き受けるのは奥さんというケースが多いのでしょうが、うちは私のほうが適性があるから引き受けている。それだけのことです。それに、妻がイキイキ働いている姿を見ると、私も元気になれるんです。研究室にこもりきりで視野が狭かった僕の世界観を、がらりと変えてくれたのは彼女ですからね。彼女と結婚して本当によかったと心から思うし、感謝もしています」

妻が、職場の同僚や友人たちを自宅に招き、「ウチの自慢の旦那さん」と紹介してくれる機会が増えた。「旦那さんって、イクメンですね~!」などと言われて、どうにもこそばゆい。そんなとき、吉岡さんはこう返して笑いを取っている。

「いやいや、イクメンじゃなくて、キチョウメンなだけですよ」

(ライター 伊藤理子)

[日経DUAL2014年3月19日掲載記事を基に再構成]

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