新インタフェースに批判集中 タッチ操作統合で混乱Win 8の不満(下)

【反論】 使い込めば“8”の良さが見えてくる

日本マイクロソフト Windows本部業務執行役員本部長 藤本恭史氏

アンケートでは、Windows 8に対する評価とともに、ユーザーの声も多数寄せられた。いずれも体験に基づいた貴重な意見ばかり。本誌は、回答者の評価やコメントをピックアップし、日本マイクロソフトで Windows本部業務執行役員本部長を務める藤本恭史氏にぶつけた。

――アンケート結果では、Windows 8ユーザーの不満がユーザーインタフェースに集中しました。

アンケート結果の内容について回答したのは日本マイクロソフトで販売促進などを担当するWindows本部業務執行役員本部長の藤本恭史氏

各方面からいろいろなご意見を頂いています。ただ、どのOSが登場したときにも必ず不満や苦情はあります。新しいOSへの移行の際には、やむを得ない部分であると考えています。特に今回はタッチ操作に特化した部分があったことで、それ以外のタッチパネル非搭載のパソコンユーザーにとっては、なかなか理解していただけない部分があると思います。タッチ機能を搭載したハードが今後増えてくれば、Windows 8の本当の魅力が伝わっていくのではないでしょうか。

――あまり使わないスタート画面が最初に表示されるので、多くの回答者が不満を抱いています。

Microsoftアカウントで入れば、スタート画面だけで気象情報やニュース、株価などさまざまな情報を一覧することができます。また、チャームを使った検索も、Windows 7の検索機能に比べると、ずいぶん使いやすくなっています。

スタート画面に目を奪われがちですが、これまでのデスクトップ画面も改善されています。例えば、タスクマネージャーは見やすくしましたし、ファイルの移動/コピーも経過を分かりやすくしました。ユーザーも使い込んでいくうちに、UIへの評価が変わってくると思います。

――シャットダウンがスタートメニューからチャームに移り、ユーザーは操作が面倒になったと感じています。

Windows 8でシャットダウンするには2回のクリックかタップ操作が必要で、以前に比べて1回増えました。ただ、Windows 7でも「再起動」「スリープ」などは2回クリックします。それほど大きな負担になったとは捉えていません。

――パソコンの終了項目が「設定」にあるのは分かりづらいのでは。

確かに分かりづらいかもしれません。ただ、基本的に終了や中断といった操作は、本体の電源ボタンを押すことをお勧めしています。

――既存のアプリがWindows 8で動作しないケースが非常に多いようです。

Windows 8は、Windows 7のカーネルとほぼ同一なので、Windows 7対応のソフトであれば、互換性に問題が生じることはほとんどないと思います。ただ、Windows 7登場以前に開発されたソフトはその限りではありません。Windows XP対応のソフトなどは、Windows 7/8対応のソフトに比べカーネルの仕様に違いがあり、互換性が低くなります。自社のOfficeも、2003以前のバージョンは使えません。2007以降であれば問題なく使えます。

互換性に障害が発生するケースでは、Windowsよりもアプリ側に問題がある場合が多いのです。アプリが使えるか否かは、メーカー側の対応姿勢が重要になります。ただ、こうした問題も、時間の経過とともに解消されていくと見ています。

――新たに採用したクラウド連携機能が高評価でした。

今や、1人で複数の機器を所有することは珍しくありません。クラウド連携の狙いは、こうした複数の機器を効率良く利用させることが前提にあります。同期させることで、壁紙はもちろん、お気に入りやアプリなどをどこでも簡単に使えるというのがポイントです。

――ストアアプリの「People」は便利な半面、連携中にアドレス帳の内容が流出するのではないかという懸念があります。

Peopleは、ユーザーが指定したアカウントで対象のソーシャルサービスにサインインして、登録されているアカウント情報をアドレス帳に集約するだけです。基本的にソーシャルサービス間で情報を連携することはありません。従って、アカウント情報などが勝手に流出する危険性もありません。

(ライター 中村稔)

[日経パソコン2013年4月8日号の記事を基に再構成]

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