ストアアプリの利用がなかなか進まない理由の1つとして、ストアアプリの作業性の低さも挙げられるだろう。ストアアプリは全画面表示が基本なので、3つ以上のアプリを同時に利用するには画面をスワイプ(指で左右に払うタッチ操作)するか、画面左端をスワイプしてから戻してアプリの一覧を表示させるなどをして、画面を切り替えなくてはならない。デスクトップアプリであれば、作業中のウインドウを並べることができる。並行した作業がしやすいのだ(図5)。
デスクトップアプリとストアアプリが混在
そもそも、ストアアプリを利用するであろうタッチパネル搭載パソコンの所有者は、回答者全体では15%前後にすぎない(図6)。ストアアプリをマウスで操作することもできるが、タッチ操作に比べるとどうしても軽快さに欠ける。ストアアプリのデメリットに加え、本来の利点が得られないことから「タッチパネル非搭載パソコンでは、Windows 8独自の良さは体感できない」という声が寄せられた。
回答者の利用主体がデスクトップアプリなのにもかかわらず、Windows 8ではいくつかのファイル形式がストアアプリに関連付けされている点も不評だった。
その典型例がJPEG形式などの画像ファイルだ(図7)。Windows 8付属の画像ビューワーには、デスクトップアプリの「Windows フォトビューアー」とストアアプリの「フォト」の2種類がある。
ところが、標準だと画像ファイルはフォトに関連付けされており、ダブルクリックするとフォトが起動する。フォトは全画面表示になる上、「ピクチャ」フォルダー以外の保存場所だと、複数の画像ファイルがあっても読み込めず、何度も起動する必要がある。フォトビューアーに比べて使いづらい。
実際、「デスクトップアプリに比べてストアアプリの機能が貧弱なのに、両者が混在して分かりにくい」「扱うファイルによって新UIに移行してしまい、デスクトップに戻るのが面倒」といった意見も寄せられた。ファイルの関連付けは、図7の画面で変更可能だが、手間がかかり、ユーザーにとって負担になる。