では、そもそも原作使用料はどういった仕組みで支払われるのか。ある原作を映画会社が使いたい場合、原作の出版社もしくは版権を管理するエージェントに手付けとして、オプション契約(予約権のようなもの)を含めた金額を支払う。それが映画化権の許諾契約金、すなわち原作使用料である。
映画の原作使用料の金額には、一定の基準がある。日本文藝家協会の規約第25条の「映画制作及び上映等における著作物の使用料は、番組制作費や提供価格等を斟酌(しんしゃく)し、1000万円を上限として利用者と本協会が協議して定める」という取り決めが、目安となっている。原作使用料のボリュームゾーンは200万~400万円。製作費が高額な場合や、原作、作家の知名度が高ければ相対的に上がるが、高額でも700万円程度。原作者はこのうち約60~80%を受け取る(図2)。

原作使用料に加え二次使用料が
原作使用料(図3)とは別に、原作者側には映画の二次使用料が支払われる。日本文藝家協会のほか、日本シナリオ作家協会、日本映画監督協会など各団体の規約により、著作者は「ソフト本体価格の1.75%×出荷枚数、レンタル事業者がメーカーに支払う金額の3.35%」をもらう(注・出版社など事業者を介する)ルールになっている(図4)。
なお映画は監督と脚本家にも著作者の権利があるので、彼らにも二次使用料が印税で支払われる。つまりDVDの売り上げは低くかろうが、作家側は出荷数に対して1.75%を受け取れるのだ。