レンタルの場合は、大きく2つの契約がある。第1は、DVD1枚あたり1万~1万2000円程度の卸売価格から3.35%を払う方法。第2に最近多いレベニューシェア。新作から数年間は出来高払いで、作品のレンタル売り上げをメーカーとレンタル店で折半し、メーカー側の取り分から3.35%が原作者側に支払われる(数年後にレンタル業者がメーカーから買い取り、原作者への支払いも終わる)。

レンタルで大ヒットした映画『告白』では、「TSUTAYAチェーンで1年間で200万回レンタルされた」(CCC広報担当者)そうだ。TSUTAYAレンタル分だけで、原作者側に支払われる二次使用料は1000万円を超える。レンタル回数は作品ごとに差が大きいものの、発生する報酬はかなりあるとみていいだろう。

ヒットの規模により二次使用料で億の収入

『のぼうの城』『るろうに剣心』などを成功させた制作プロダクション、C&Iエンタテインメント代表・久保田修氏はこう語る。

「ベストセラーだからといって、映画が必ずヒットするとは限りません。映画は非常にリスクの高いビジネスです。けれど、仮に失敗したとしても、原作者には原作使用料以外に二次使用料などの収入が補填されます。お金に関して日本はクリエイターを比較的大事にしている方だと思うのですが」

例えばDVDが1万本売れてレンタルが1万回以上貸し出された場合で、原作者には合計1000万円近い二次使用料が入ると考えられる。これに地上波・BSほかテレビ放映料、関連グッズの収益配分が加わり、映画化による本の増刷分の印税10%ももちろん加算される。ヒットの規模によっては億単位の収益があるだろう。

前述の佐渡島氏は、原作者が総合的に得をすることを意識して交渉をする。「原作使用料を数百万円上げる交渉に注力することは、得策でない。映画の宣伝費、キャスト、使用する楽曲などの交渉で作品の知名度が上がり、二次使用料や単行本の売り上げが伸びるなら原作にとっていいし、結果的に作家に入る額は大きくなります。今、原作者は映画が成功しても利益は分配されません。興行収入によって、段階的にインセンティブ(報奨金)が支払われる仕組みがあってもいいのでは」と言う。

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原作者には金銭面のリスクも不利益もない
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