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安定志向の草食世代、「空気を読む」のが重要事項

働く女性の25年 世代別研究(4)

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NIKKEI STYLE

 バブル経済真っ盛りの88年に創刊した日経WOMANは、2013年4月に25周年を迎えた。この四半世紀で、働く女性たちはどのように変化してきたのだろう。そして、今後どのような道を進んでいくのだろうか。「女性と仕事」をメインテーマとするジャーナリストで昭和女子大学特命教授の福沢恵子さんと、世代・トレンド評論家でマーケティングライターとして活躍する牛窪恵さんに話を聞いた。4回目の今回は「草食系」世代にフォーカスする。

周りの人たちとのバランスが何よりも大事

現在、20代後半の彼女たちは、草食系世代(身の程世代)。彼女たちが生きてきたのは、日本経済はずっと右肩下がりで、「年収300万円時代」「貸しはがし」など、重苦しい言葉が行き交う時代。団塊ジュニア世代が志向した「等身大」、デフレ世代の「そこそこ」から、さらにユルさを増した「フツー」をキーワードとする世代となった。

同世代の有名人
相武紗季(28歳)・綾瀬はるか(28歳)・上戸彩(27歳)・小倉優子(29歳)・香里奈(29歳)・満島ひかり(27歳)・宮崎あおい(27歳)

周りの人たちとのバランス、自分の立ち位置を気にするこの世代にとって、「空気を読む」ということが重要事項。「デフレ世代よりもさらに慎重に守りの姿勢に入っている彼女たちは、"フツー"を良いことだと思っている。それは『現状維持』がもはや贅沢な時代を生きているからなんです」と牛窪さん。

「ユルい」「さりげに」「とりあえず」などの言葉の流行からも読み取れるように、決して高望みはしない。個性や権利を主張することなく、空気を読んで立ち回れる「穏やかでいい子」が多い世代でもある。

頑張ってキャリアアップ、転職を目指すという熱意は薄い

就職面では就職超氷河期が一旦終了し、2006年から2008年の3年間はバブル世代の就活以来、久々に売り手市場となった。長く新卒採用を抑制していたために職場の年齢構成がいびつになっていたことや、団塊世代の大量退職との入れ替わりなどで企業の採用意欲が上がり、わりとすんなりと就職できたという幸運を手にした人も多かった。しかし2008年秋にリーマンショックが起こり、就職戦線は一気に暗転。この前後で、明暗が分かれることとなったが、苦労をした「リーマン後」の人たちも含め、仕事においても「頑張ってキャリアアップや転職を目指す」という熱意は見えにくい。

「努力が報われない上の世代を見てきているので、上昇志向が培われていない。抜きん出てやろうという野心よりも、周囲と足並みを合わせて安心していたいという思いが強い」(福沢さん)。「資格取得やスキルアップをするのは、もっと条件の良い職場で働きたいという動機からではない。今後役立つかもしれない保険として備えておきたいから」(牛窪さん)。

競争に慣れておらず、自信がないのも特徴

このように保守的な草食系世代の性質は、教育の影響も大きい。「運動会で順位をつけない、学芸会で何人もの主役がいる……など、競争させない風潮の中で育った。そのため、勝利や成功の体験が少なく、自信を持てない人が多い」と牛窪さん。

「自分は価値のある人間なのだろうか」という不安を抱えていることから、周囲と調和し、貢献することへの意識が強いのもこの世代の特徴。NPO活動や社会起業家、ボランティアなどへの関心も高い。

それゆえ、「あなたがいてくれて助かります」「あなたのおかげです」というように、成果だけを認めるのではなく、貢献できた自分の存在を受け止めてくれるような言葉が響く。報酬やポジションを与えられることよりも、こうした自己肯定感を得られることに意義を感じるのだ。

上司としてアドバイスをするときには、「この方法なら、大失敗することはないはず」などと、成功率の高い方法へと導いてあげるのがいい。

「大冒険して一発当てるようなテクニックよりも、確実にストライクゾーンに入れる具体的な方法を教えてもらうほうが、安心して仕事ができます」(福沢さん)。

しかも、本来要領が良く、システムを使いこなすことが得意なこの世代は、「手順やメリットを順序だてて説明すれば、着実に仕事をこなせる。マニュアルがあったほうが、持ち前の能力が生きるタイプ」(牛窪さん)。

気をつけたほうがいいのは、「今のやり方のままじゃダメ」「そんなやり方では、取り返しのつかないことになるよ」など、不安をあおるような言い方。負けん気を引き出して鼓舞するようなアプローチは、彼らを浮き足立たせるだけで、逆効果になってしまう。

そして、競争に慣れていない草食系世代が嫌うのは、人と比べられること。「~さんにもできたんだから、頑張りなさい」「私があなたくらいのときには、できた仕事ですよ」などと、自分の至らなさを突きつけられると、傷ついてしまう。

「アドバイスをするときは、できていることを褒めてから、不備を指摘して具体的な指示をするほうが効果的」(牛窪さん)。伝え方一つで、彼女たちのモチベーションは大きく変わるのだ。

この世代の人たちが、上の世代と上手に付き合っていくためにぜひおすすめしたいのは、「若者ならではの野心を秘めているように見せること」。

年齢を重ねた人ほど、「若い人には果敢な挑戦をしてほしい」という願いを潜在的に持っているもの。先輩たちには、老成したそこそこ志向ではなく、情熱があるところをアピールしたほうが、サポートの手を差し伸べてもらいやすくなるはずだ。

草食世代の強み&弱み
【強み】「素直で人あたりがいい」
 相手を陥れようとするような競争心はなく、調和を重んじるタイプなので付き合いやすい。論理的に説明すれば、言われた通りに仕事をこなす実直さがある。

【弱み】「失敗を恐れ、慎重になりすぎる」
 「フツー」を是とするこの世代は、「フツー」というボーダーラインを満たせなかったとき、強い劣等感に襲われる。少しでも成功確率の高い安全パイばかりを選んでしまう。

この人たちに聞きました

福沢恵子(ふくざわ・けいこ)
ジャーナリスト・昭和女子大学グローバルビジネス学部特命教授。1983年早稲田大学政治経済学部卒。在学中に女子学生の作る就職情報誌「私たちの就職手帖」を創刊、初代編集長を務める。卒業後、朝日新聞記者を経て1990年にフリーランスのジャーナリストとして独立。「女性と仕事」を中心テーマに、就職、起業、人材開発などについての執筆や講演を行う。
牛窪恵(うしくぼ・めぐみ)
マーケティングライター。インフィニティ代表取締役。財務省財政制度等審議会専門委員。1968年東京生まれ。日大芸術学部映画学科(脚本)卒業後、大手出版社に入社して編集、PR担当後、転職し、2001年に起業。トレンド、マーケティング、小売流通、ホテル、旅行関連などをテーマに執筆、講演を行う。テレビ番組のコメンテーターも務める。主な著書に『男が知らない「おひとりさま」マーケット』『独身王子に聞け!』『ただトモ夫婦のリアル』(いずれも日本経済新聞出版社)

(ライター 西門和美)

[nikkei WOMAN Online2013年4月19日付を基に再構成]

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