共働き家庭 ママ友との人間関係の作り方
【この記事のポイント】
2・一人の人間として信頼できるママ友達と、親しくなろう
3・ご自宅のお呼ばれのお礼は、受け取りやすく便利なものを
子どもがいるママ同士の友達=「ママ友」は、働くママにとって、貴重な存在。たとえママ達の年齢や立場が違っても、子どもの年齢や働いていることなどの共通項があると、共働きならではの悩みや課題を分かち合えます。
また、専業主婦のママに助けられた経験を持つワーママも少なくありません。復帰してから自分が得られない貴重な地元情報(例えば、休日でも診てもらえる小児科医や子連れで行きやすいお店など)について教えてくれることもあります。
逆に、土日で仕事が休みのときに専業主婦のママの子どもを預かるなど、お互い助け合うこともできます。育休中に生まれた赤ちゃんを介して、公園で遊んだり、お互いの自宅に遊びに行ったりしながら、家族ぐるみで付き合うママ友ができると心強いですね。
「ママ友」と知り合える機会を増やそう
職場復帰して仕事を再開すると、近所との付き合いは疎遠になりがちです。でも、急に何かあったとき、近所に助けてくれる人がいるととても助かるもの。育休中に町内会の行事に参加したり、公園で知り合った人に積極的に声を掛けたり、子育てサークルに参加したりと、近所の人と知り合えるチャンスを見つけておきましょう。
自宅に招いたり、休日に一緒に出かけたりして、子どもも大人もお互いに親しくなっておくと、今後助け合える大切な存在になります。
ママ友には、「ギブ&ギブ」の精神で接する
ママ友と良い関係を築いていくには、まずはギブ&ギブの精神で接することが大切です。例えば、こんな話があります。
産後2カ月でひどい風邪を引き、赤ちゃんがいるので病院にも行かれず、パパも出張中で困っていたママ友。そこで、「うちで預かってあげるから、ゆっくり病院へ行ってきて」と数時間預かりました。
同じ月齢の赤ちゃんがいたので、ミルクもおむつも家にすべてあり、それほど苦にはなりませんでした。もちろん、赤ちゃんの安全には十分気を付けながら、何かあったらママに連絡するということで、相手のママは安心して病院に行ってくることができました。
この一件で、相手のママからはとても感謝され、その後も何かあるたびに「うちで預かってあげるわよ。次の土曜日、出社なんでしょ?」などとサポートしてくれるありがたい存在になったそうです。
■相性が合わないママ友とは、付かず離れずの関係で
相性が合わないと思うママ友とは必要以上に付き合うことはないでしょう。とはいえ、スッパリ関係を断つことも難しいものです。ママ友付き合いは今後も続きます。「相性がぴったり合う人はなかなかいない」ということを、地域生活から学ぶことも大切です。
なぜなら、ママ友の子どもと自分の子どもは、将来同じ小学校や中学校の同級生になる可能性が高いからです。
自分の子どもはまだ赤ちゃんでも、「将来のPTA活動が始まっている。その練習期間だ」と捉え、適度な付き合い方にも慣れていきましょう。「ファミリーで親しく付き合いたい人」「取りあえずの遊び相手としてのお友達」など、相性によって距離の取り方を変えれば、気軽に付き合えるものです。
大切なママ友を選ぶ基準は、一人の人間として信頼できるかどうか
ママ友の上手な選び方は、まず一人の人間として信頼できると感じるかどうか。子ども同士で遊んでいて、親が見ていないときに、どちらかがけがをしたことをイメージしてください。そのとき、「あの子がやったんだわ、しつけが悪いのかしら」などというマイナスの感情がお互いに湧くようなら、やめたほうがいいでしょう。
また、子どもにきょうだいのいるママで自分の子どもより年上の子どもを育てた経験のある人なら、上の子どもの様子を見るとその人の子育てポリシーが分かります。自分と合いそうか、見極めるポイントになるのです。
また、子どもの成長に伴って、習い事や受験を機に、付き合うママ友は変化するものです。今、親しくしているママ友とも、いずれお別れの時期がやってくるかもしれません。そのことを念頭に、ずっとつながっていたいママ友とは大事に付き合うようにしましょう。
ママ友へのお礼は、一食に役立つものか商品券か
ママ友との交流が深まると、自宅にお呼ばれする機会もあります。その際に持っていく手土産は、実用的なもの、そしてお邪魔した後の一食に役立つものがいいでしょう。
「今日のランチ買っていくね。〇〇のつもりだけど、種類は何がいい?」などと事前に聞いておくのもおすすめです。帰宅後に相手の食卓に並べられそうなもの、または、冷凍しておけるものなどもいいでしょう。ちょっと高価な中華まんじゅうなど、すぐ食べない場合は冷凍でき、忙しいときの1品になるものがおすすめです。
また、自分が体調不良の時や出張のときなどに、子どもを見てもらうケースがあるかもしれません。そんなときのお礼は、出張に行った場合は、お土産を買ってかえったり、現地から特産物を送ったりするという手が。お願いする回数が多いほど付き合いが深くなれば、事前にお互いに相談をしてお礼の内容を決めておくのもいいでしょう。
現金だと受け取りにくい場合は、商品券やクオカードなどの金券、プリペイドカードであれば、受け取りやすくなります。そのときのハードさ、時間の長さによって検討しましょう。
この人に聞きました
人材育成コンサルタント/キャリアアドバイザー。株式会社キャリアン代表取締役。専門は人材育成・組織能力開発やマネジメント・キャリアに関するコンサルティング。メーカー入社後、1989年にキャリアに関する事業を中心とした人材育成子会社を立ち上げ常務、社長、会長。早期よりキャリアアドバイスを普及した経験を活かし、2013年に一人ひとりの生涯キャリアを支援するキャリアンを設立。神奈川県教育委員会委員。内閣府、文部科学省等の委員を歴任。
(ライター 西山美紀)
(日経DUAL2014年5月23日掲載記事を基に再構成)
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。