不況期に史上最高を記録 映画ビジネスにみる不振脱却へのヒント品田英雄のヒットのヒント

不振が続くエンターテインメント業界だが、映画全体の国内興行収入(興収)が2010年は過去最高になることが確実になった。これまでの最高は2004年の2109億円だったが、今年は「2200億円を超え、2300億円もありえる」という声が関係者から上がっている。この内容を細かく見ていくと、エンターテインメント業界、ひいては日本経済の元気復活のヒントが浮かび上がってくる。

(1)海外で話題の商品を「品ぞろえ」

史上最高の興行収入に貢献したのはハリウッド映画だった。3本が興収100億円を突破し上位を独占した。第1位は「アバター」。元海兵隊員ジェイクは衛星パンドラに埋蔵する鉱物資源を発掘するために、ハイブリッドな肉体「アバター」を操り先住民と仲良くなるが――。3Dを駆使した大ヒットで、興収は155億円に達した。

「アバター」  米国で過去最高、日本で歴代8位の興行収入を記録した。監督は「タイタニック」のジェームズ・キャメロン。主演、サム・ワーシントン (C) 2009 Twentieth Century Fox All rights reserved.

第2位は「アリス・イン・ワンダーランド」、「不思議な国のアリス」のアリスが13年後に再び不思議な国に迷い込む――。人気俳優ジョニー・デップの謎の男も話題になった(同118億円)。

第3位はディズニーの人気CGアニメ第3弾「トイ・ストーリー3」。おもちゃたちの持ち主アンディが大学入学のために家を出ることに。おもちゃたちは捨てられることになるのか――。声優には唐沢寿明、所ジョージが起用された(同108億円)。いずれも世界的なヒットとなっている。

日本映画も健闘はしている。スタジオジブリのアニメ「借りぐらしのアリエッティ」(92億)や海上保安官の活躍を描く「海猿」シリーズの第3弾「THE LAST MESSAGE 海猿」 (83億)、「のだめカンタービレ 最終楽章」のようなクラシックを題材にしたコメディー(40億)まで幅広い。ここ数年、シェアでは日本映画が洋画を上回っており、日本映画の底上げを感じる。

しかし、国産の才能や設備だけでそれ以上に売り上げを伸ばすことはむずかしかった。その壁を突破したのが、ハリウッド映画。日本人はどんどん内向きになっているといわれるが、世界で通用するものは日本でも人気を集めたのだ。

「アリス・イン・ワンダーランド」  監督ティム・バートンと主演ジョニー・デップのヒットメーカーコンビの作。奇抜な衣装の俳優たちが話題に。(C) Disney Enterprises, Inc. All rights reserved.
「トイ・ストーリー3」  人気CGアニメの第3弾。監督はリー・アンクリッチ。声の出演はトム・ハンクス(唐沢寿明)、ティム・アレン(所ジョージ)。c 2008 WALT DISNEY PICTURES / PIXAR ANIMATION STUDIOS. ALL RIGHTS RESERVED.

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