しかし、地震保険の「正しい入り方」は、意外と知られていません。今回は地震保険のウソとホントをチェックします。
地震保険は他の保険と異なる点も多く、わかりにくいと感じる人も多いのではないだろうか。今回は誤解しがちな地震保険の“特徴”を7つピックアップしてみた。それが嘘(うそ)か本当かを考えることで、地震保険の基礎知識を確認してみよう。
「どの損害保険会社でも地震保険に加入できる」

全ての損保会社が地震保険を取り扱っているわけではない。主な取扱会社は図1の通り。ここでは日本損害保険協会の会員会社(2011年6月現在25社)からピックアップした。
地震保険は単独では加入できず、必ず火災保険とセットで契約する仕組み。今は火災保険のみに加入している人はそこに地震保険を付帯できる。
地震保険の保険金額は火災保険の保険金額の30~50%の割合で設定する。ただし限度額があり、建物は5000万円、家財は1000万円まで。契約期間は火災保険に合わせることができ、最長5年までの保険料を一括で支払う場合、1年契約に比べて保険料は割安になる。地震保険ではないが、全労済やJA共済などの共済にも地震による損害で共済金が支払われるものがある。
「地震保険料はどこの会社でも同じだ」

地震保険はどこの保険会社で加入しても、商品性、保険料とも同じだ。
これは地震保険が、国の法律に基づいて政府と損保会社が共同で運営している公共性の高い保険だからだ。地震保険料から経費を除いた額を保険金支払いのために積み立てることが義務付けられており、政府が「再保険」という形でバックアップ。地震保険で保険会社に利益が生じることもない。その分、1回の地震につき5兆5000億円(2012年4月1日からは6兆2000 億円の見込み)までは保険金の支払いが保証される。
保険料は、所在地と建物によって異なる。所在地は、各都道府県別に危険度に合わせて8段階に分かれている。建物は、建物の構造(柱や梁(はり)が鉄骨・コンクリートか木造か)と建物の耐火基準による(図2)。「セットする火災保険は、商品性にバリエーションがあるので、そちらで選択するのも一考」(岩永さん)。