大間のマグロはここが違うブランド食材と普通の食材の見分け方日経おとなのOFF

「大間」や「(佐賀)関」と付くだけで、販売価格が何割増し、ときには何倍にもなる。ブランド食材はどうやってブランドになったのか? 普通の食材とどこがどう違うのか? ブランド食材の真実に迫った。「本物」を見分けるコツを解説する。

東京・築地市場の初競りで毎年高値が話題になる青森・大間のマグロ。本マグロの中でも最高級ブランドといわれる。「大間のマグロは正月前後が旬に当たります。年末年始は高くてもおいしいものを食べたいという人が多い。特に初競りはご祝儀相場もあって高値が付く。大間のマグロが全国的に有名になったのは、数年前に1本2000万円の値が付いてからでしょう。いったん知名度が上がると、百貨店などでも売りやすいため、取り合いになり、価格がさらに上がるんです」(まぐろ石宮の中島正行さん)。

ブランドの理由はそれだけではない。「大間だけに限らず、冬の津軽海峡周辺でとれる本マグロには良品が多いのです」(中島さん)。

【大間のマグロ】発色がきれいで赤みと脂身のバランスがいい

大間のマグロ  大間産の本マグロ。ツヤがあり、ピンクがかったきれいな発色。赤身と脂のバランスがよく、じっくり見ると細かいサシが入っている。

【国産のメバチマグロ】メバチマグロは赤が強く、実が透き通っている

メバチマグロ  こちらは最も流通量の多いメバチマグロのサク。赤身は赤が強く、本マグロに比べると身に透明感がある。

津軽海峡を挟む青森県と北海道には、大間をはじめ複数の漁港がある。青森側の龍飛岬、北海道側の戸井や松前などの漁場も、同じ津軽海峡周辺だ。この辺りは10~12月にかけて、随一の本マグロ漁場になるという。

だが、そもそもマグロは世界の海を泳ぎ回る回遊魚。水揚げ地が品質に影響するものなのだろうか。

「冬の津軽海峡には、水温の関係でよい餌が集まります。餌を追って回遊してきたマグロは、日本海側と太平洋側から北上して津軽海峡に入るのです。日本近海でとれるマグロと外洋でとれるマグロが違うのはこの餌の違いです。マグロが食べた餌はマグロの味に影響します。津軽海峡でとれるマグロは、日本人が好むおいしい魚を餌にしているのです」(中島さん)。サンマやイナダ、ワラサなど脂がのった背の青い魚と、スルメイカをバランスよく食べているマグロが理想的だという。「青魚がマグロの味を濃厚にし、スルメイカの身の透明感がマグロの赤身の色をきれいにしてくれます」(まぐろ石宮の野尻聖児さん)。

マグロは冷たい水温の海を北上してくるため、脂ものりやすい。