今、引っ張りだこなのは誰? 求められる女性声優の条件日経エンタテインメント!

音楽活動に重点を置く声優も

表2  作品のホームページなどに「キャスト」もしくは「メインキャスト」として掲載されている数を数えた。

なお、今回は主人公・ヒロインの「1番手」だけでなく、各作品の公式サイトに「メインキャスト」として名前が記載されていた数も調べた(表2参照)。こちらのトップは花澤香菜。「1番手」ランキングの結果と合わせ、その個性や演技力を幅広い作品から求められている声優であることが分かる。

また、上位には沢城(さわしろ)みゆき能登麻美子小林ゆう小清水亜美喜多村英梨(きたむらえり)竹達彩奈(たけたつあやな)など、「1番手」ランキングの結果(表1)には入らなかった声優も並ぶ。いずれも、調査期間が変れば「1番手」ランキングに入ってもおかしくない人気声優たちだ。

2位の沢城みゆきは、2010年に「第4回声優アワード」の主演女優賞に輝くなど演技力への評価が非常に高い。放送中の「LUPIN the Third -峰不二子という女-」の峰不二子役など主人公・ヒロイン役も多く演じている。

能登麻美子はこの期間の主人公作品こそなかったものの、「輪(まわ)るピングドラム」の時籠ゆり役など、スーパーサブ的存在として数多くの作品に出演した。

一方、NHKの「紅白歌合戦」に3年連続で出演し、アニメファン以外にも広く知られる水樹奈々のメインキャスト数は、10本で18位。2011年7月期にテレビシリーズが放送された「BLOOD-C」で主人公を演じるなど、安定した活躍を見せているものの、1番手作品もこの1本だけだった。歌手に軸足を置きつつアニメ以外にも活動の幅を広げているため、声優としての出演数は意外と控えめだ。

声優ブームをけん引してきた世代で、現在でも人気や知名度ではトップクラスの田村ゆかり堀江由衣らも、主人公・ヒロインの数やメインキャスト出演本数がずば抜けて多いわけではない。水樹同様、音楽活動もコンスタントに行っているため、出演作をある程度コントロールし、両立を図っていると考えられる。

これは、今の女性声優の活躍の場が、広がっている表れといえる。実際に表1に掲載した1番手ランキングの上位14人中10人が、個人名義での音楽活動を行っている。今春も花澤香菜、竹達彩奈、悠木碧といった期待の若手声優が相次いでデビューした。彼女たちも演技と音楽活動との両輪で末永い活躍が期待できそうだ。

(ライター 矢口紗)

[日経エンタテインメント!2012年6月号の記事を基に再構成]

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