2011/11/27

日経ヘルス&メディカル

もちろん、いかり肩/なで肩は、生まれつきの骨格や筋肉のつき方も関係しています。しかし、いずれになるかを決定づけるのは、日ごろの体の動かし方。特に、日中の作業姿勢が大きな要因になります。

日本人の女性は、いかり肩が多いですね。いかり肩は、典型的な肩こり体質。デスクワークのときに猫背で頭が体の軸より前に出るという姿勢を長時間続けていると、肩が持ち上がった状態に固定されてくる。前や後ろから見ると、首が本来の長さよりも短く見えてしまう、という残念な特徴もあります。

下の図で示すように、肩こりに関わる筋肉は主に3種類。背中から肩、首をカバーし、肩関節を上に持ち上げる「僧帽筋上部線維」と、肩関節が上がりすぎないよう下に引っ張る「僧帽筋下部線維」、頸椎から肩甲骨を結び、肩甲骨を持ち上げる「肩甲挙筋」です。

いかり肩 僧帽筋上部線維と肩甲挙筋が縮んで凝っている。「見返り美人のポーズ」と「なんだったかなのポーズ」でストレッチしよう。伸びてしまっている僧帽筋下部線維は、「お尻なで下ろしエクササイズ」で鍛えて。 なで肩 凝っているのは肩甲挙筋。まずは「見返り美人のポーズ」でしっかりストレッチを。伸びてしまっている僧帽筋上部線維は「肩甲骨持ち上げエクササイズ」で鍛えて、腕の重みを支えられるようにしよう

両肩がぎゅっと上に持ち上がったいかり肩の場合、僧帽筋の上部線維と肩甲挙筋がともに短くなり、硬直しています。ここをほぐせば、凝りは即座に楽になります。さらに、肩が持ち上がってしまう原因は、肩を下に引きつける僧帽筋の下部線維が力を失っていることにもあるので、こちらの筋肉の方は鍛える必要があるのです。

一方、なで肩は、肩が腕の重みに負けて下がった状態にあります。腕を支えるのに重要なのが僧帽筋上部線維なのですが、ここの筋力が低下し、腕の重みに負けて伸びてしまっている。ただ、弱いながらも腕を支えようと頑張っているから、常に筋肉に力が入り、凝っています。腕の重みに伴って下がろうとする肩甲骨を支えようと頑張っている肩甲挙筋は、いかり肩の人と同じように、硬直して凝っています。

「肩が凝った……」と、凝り感を自覚しやすいのが、いかり肩の人。僧帽筋が縮んで凝っているから、マッサージされると即効性があり、気持ちいいと感じます。一方、なで肩の人の僧帽筋は力を失って伸びていますから、ここをマッサージでほぐしたりむやみにストレッチすると、さらに僧帽筋を伸ばすことになるので逆効果。マッサージされても肩甲挙筋の凝りは改善しないものだから、あまり気持ち良さを感じられない、という人も多いはず。その実感は、確かに当たっているのです。

いかり肩なら2種類のストレッチを

凝った筋肉を押したりさすったり温めたりして、凝りをほぐすことは大事なことです。ただ、凝りをほぐすだけで完結させるのは惜しい! 今後、凝りが生じにくい体にしていく対策も同時に行うことが大切だと私は考えています。

そのためには、短くなっている筋肉をストレッチして血流を改善する。そして、伸ばされている筋肉が元の長さに縮むことができるよう鍛える。「伸ばす」「鍛える」という二つの対策が大切になってきます。

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