ヨーロッパを車で旅するおとなの冒険 中級編(6)ナショナル ジオグラフィック日本版

名だたる探検家の足跡を追いかけてきたナショナル ジオグラフィック誌がセレクトした旅のプランを紹介する「一生に一度だけの旅 おとなの冒険 中級編」。6回目はヨーロッパをドライブする旅です。

~ドイツ 南ドイツ・バイエルン州の ロマンチック街道を行く~

1880年代に、国王ルートヴィヒ2世が建てたノイシュバンシュタイン城。ディズニーランドのシンデレラ城のモデルとなったと言われている。 (c)Greg Gawlowski/Lonely Planet Images

山の上にそびえる城、無数の美しい教会や宮殿。ドイツのおとぎ話と音楽、芸術の中心地をめぐる街道。

湖に中世の城、おとぎの国にあるような宮殿、タマネギ型のドームを持つ教会。そのすべてを、深い森におおわれた山並みが見下ろしている。これが南ドイツのロマンチック街道だ。ロマンチック街道は、青々としたブドウ畑や歴史あふれる街々を通って、南のアルプスへと続く。ドイツの伝統を深く刻んだ街のカレンダーはさまざまな行事で埋まり、それぞれに特有の衣装や音楽、そしてもちろんビールがある。

さらにこのルートは建築の宝箱でもある。北のヴュルツブルクから出発しよう。ロマネスク様式の教会と、バロック、ロココ様式の宮殿で有名な町だ。アウグスブルグは、中世の豪商フッガー家の本拠地。彼らがイタリアのルネサンス様式をドイツに伝えた。

そして、街道のフィナーレを飾るのが中世のアルプスの町フュッセン。緑豊かな町は、60以上もの城や宮殿を抱いている。その手前の町シュバンガウには、優美さにあふれるノイシュバンシュタイン城。19世紀にバイエルンの“狂王”と呼ばれたルートヴィヒ2世が建てた夢の城だ。

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ベストシーズン  1年中いつでも。春と夏は、青々とした緑におおわれ、牧草地や果樹園に花が咲き誇る景色が楽しめる。秋には、田園地方は見事な紅葉に染まる。そして冬は、雪が魔法の国をつくりだす。

所要日数  全長338km。ゆっくりと満喫するために、1週間はほしい。

旅のヒント  自分で運転してもいいが、ほかの交通手段も利用できる。4~10月まで、ドイチェ・ツーリング社の“ヨーロッパバス”が、ロマンチック街道コースを定期的に運行していて、どこでも好きな場所で乗り降りできる。自転車でめぐることもできる。ロマンチック街道観光協会が提唱するサイクリングコースは、険しい山や幹線道路を避けたルートになっている。

とっておき情報  あらゆる種類の宿泊施設がそろっている。現地に着いたら、観光案内所を訪れよう。

【見どころと楽しみ】
■ヴュルツブルクにある領主司教の宮殿は、18世紀のヨーロッパ建造物の最高傑作に数えられる。イタリアの画家、ティエポロによるみごとなフレスコ画は必見。
■ミュンヘンまで足をのばして、オクトーバーフェストを楽しむ価値は十分にある。バイエルンのビールに食べ物、ブラスバンドの演奏にあふれるお祭りで、毎年9月から10月の最初の日曜日にかけて、16日間にわたって開催される。
■ノイシュバンシュタイン城。国王ルートヴィヒ2世は、作曲家ワーグナーに「本物のドイツ中世騎士の城」を再現すると語ったという。だが彼は、セントラルヒーティングや水洗トイレをはじめとする、現代風の快適さを追求することも忘れなかった。