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おとなの数学

2012/8/28

おとなの数学

情報理論の世界では、最初のケースのような誤りを検出(detect)する能力をもつ符号のことを「誤り検出符号」という。上の電話の例では1文字の誤りを検出したが、2文字、3文字などでも誤りは検出できる。また、次のケースで説明した正しい電話番号(符号)に訂正(correct)する能力をもつ符号のことを「誤り訂正符号」という。A国の例では1文字の誤りの訂正であったが、誤り検出と同じく、2文字や3文字でも可能である。

世の中はデジタルデータであふれている(東京都渋谷区の代官山 蔦屋書店)

書籍のISBN記号、国名や出版社名を表す

誤り検出符号は、書籍やバーコードなど身近な場所にも使われている。

近くに6年以上前に出版された本があったら手にとって見てほしい。裏表紙にISBN記号が付いているはずだ。ISBNとは International Standard Book Numberの略。2007年からは13ケタのバーコードに改められたが、それまでは10ケタの数字だった。この10ケタのISBNは数学的にも非常に面白いものであった。この旧ISBN記号について、詳しく見ていこう。

ここに「ISBN 4-06-1498401」という番号があったとする。最初の4は国名(日本)を表し、次の06は出版社名、その次の149840は書名を表している。最後の1は、情報伝達の段階で誤りが1つ生じたとき、それを検出するために設けられた記号である。

いま、旧ISBN記号を「ISBN abcdefghij」として考えよう。このとき、a~iには0から9の数字が当てはまる。最後のjについては0から10までの数字が入るが、10の場合だとISBN記号が11ケタになってしまうので、実際の書籍では10の代わりにxと表記されている。

最後の「j」は次の式に基づいて計算される。

a×1+b×2+c×3+…i×9+j×10 …(1)

(1)が11の倍数になるようにjが定められているのである。jの具体的な数値を求めるには、(a×1+b×2+c×3+…+i×9)を11で割ったときの余りを計算すればよい。

上記の例で確かめると、

4×1+0×2+6×3+1×4+4×5+9×6+8×7+4×8+0×9+1×10=198=18×11

となり、11の倍数であることが分かる。

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