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おとなの数学

DVDが傷ついても、ちゃんと映像が見える理由 桜美林大学教授 芳沢光雄

2012/8/28

 商品バーコードから書籍コード、音楽CD、DVD、パソコンのデータまで世の中には数字の列やデジタルで表現された情報であふれている。デジタルはアナログに比べて間違いに厳しい。にもかかわらず、情報を誤りなく伝えられるのはなぜなのか。それは、一つの間違いもなく送るのではなく、仮に送る途中で間違えてもその間違いを見つけたり、正したりする数学的な仕掛けを盛り込んであるからだ。今回はその内容についてわかりやすく説明しよう。

DVDは小さな傷なら、きちんと映像が見えることが多い

■間違い電話をなくすには

 まず、簡単なケースとして電話番号を取り上げる。7ケタの番号しかないAという国に「111-2222」という電話番号があったとする。この番号に電話を掛けたいと思った人が、間違って「141-2222」とプッシュするとどうなるか。「この番号は使われていません」というメッセージが流れるか、「141-2222」の番号の人につながってしまうだろう。

 しかし、こうした間違い電話をなくす方法がある。1字違いの番号を、初めから設けなければいいのだ。

 1字違いの番号とはこの場合、「141‐2222」「111‐2252」「111‐2226」のような例だ。これなら「111‐2222」に掛けたつもりで1カ所間違っても、必ず「この番号は使われていません」というメッセージが流れることになる。あらゆる電話番号について、それと1字違いの番号を一切設けないようにすると、番号を間違ったときには必ず「この番号は使われていません」というメッセージが流れる。このとき、その国の電話システムは1文字の誤りがあることを検出する能力をもっている、といえる。

■誤りを自動修正する仕組みも

 誤りを検出するだけではなく、正しい番号に訂正する能力を持つ番号も設定可能だ。

 先のA国の例で考えてみよう。A国では人口減少が進み、加入電話の件数が減ってきた。そこで、もっと効果的な電話を整備したいと考えた。それは番号を間違ったとき、それが1文字なら正しい電話番号に必ずつながる、という画期的な仕組みをもつ電話である。

 この電話ならたとえば、「111‐2222」という番号に掛けたい人が、誤って「141‐2222」「111‐2252」「111‐2226」をプッシュしても、機械の方で正しく「111‐2222」に訂正してつながるのだ。この場合、A国の電話は1文字の誤りがあっても、それを訂正する能力をもつのである。

 電話番号を例に説明したが、こうした仕組みを整えておけば、データを伝達している途中や読み取っている時に万が一誤っても正しいデータに復元できる。

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