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シロアリ元気が気持ちいい 何事も虫優先の暮らし コスタリカ昆虫中心生活

2014/6/15

ナショナルジオグラフィック日本版

昆虫だけで何十倍も生息している生物多様性の国、中米コスタリカ。昆虫学者の西田賢司氏はここで単身、昆虫を採集・飼育し、研究している。部屋には昆虫を飼育する袋がずらりとぶら下がり、押し入れには標本箱が積まれている。網を片手に森へ入れば、ゴミ袋いっぱいに昆虫たちを採ってくる。ナショジオがお届けする、写真を通して見る、コスタリカのすごい虫たちと、西田氏のちょっと変わった昆虫中心生活。今回はその暮らしぶりを、少しだけ紹介します。
ユーリヌス・マグニフィクス/Eurhinus magnificus(コウチュウ目:ゾウムシ科:ヒメゾウムシ亜科) 20万種いるとされるゾウムシの中でも虹色に輝くゾウムシは、そういないだろう。幼虫はブドウ科の植物のツルに紡錘形の虫こぶを造る。学名のマグニフィクスは「壮麗な美しさ、とびきり上等な」という意味。この「とびきり上等な」ゾウムシの幼虫は大切に虫こぶに包まれて育つ(体長:5mm 撮影地:サン・ホセ、コスタリカ)

森から生きたまま持ち帰った昆虫のほとんどは、成虫ではなく幼虫。幼虫を自宅で育て、成虫になるまでの生態を観察するのだ。台所の一角に張った物干しロープに、幼虫が入った透明のビニール袋を洗濯バサミでつり下げていく。そうすると虫たちや餌となる植物がちょうど目の高さにくるので、観察がしやすい。多いときには20から30袋ほどが所せましとぶら下がっている。

ぼくがお好み焼きなどを食べながら、虫たちが食事をしているところを観察することもしばしば。たまに排便行動を目にするが……、新しい発見をしたり幼虫が成虫になっているのを見かけると、食べることそっちのけで虫の観察や写真撮影にのめり込んでしまう。お好み焼きはどんどん冷めていくのだ。

物干しロープには、もちろん洗濯ものを干さないといけないけれど、優先順位は虫たちが上。「自然保護は身の回りから」をモットーにしているぼくは、家の庭を草ぼうぼう状態にして、できるだけ多くの虫たちに住んでもらうようにしている。家の中にもシロアリや小さな蛾(が)、クモ、ヤモリなんかが、元気よく住んでいる。生態系のバランスがとれている中で過ごすことは、気持ちの良いものだ。

コスタリカの自宅。物干しロープに幼虫の入ったビニール袋をぶら下げている。これなら食事をしながらでも虫たちを観察できる

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