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立川談笑、らくご「虎の穴」

「リズムで挨拶するんじゃねえ」 思い出す師の叱責 立川談笑

2014/7/30

みなさん、こんにちは。立川談笑、落語家です。落語の世界に入って早いもので20年以上たちました。長くやっているせいか、年のせいか、世の中の出来事に感想を持ったり、ひとこと言いたくなったりします。これから落語家の目線であれやこれやと書きつづります。どうぞお気楽にお付き合いください。
高座に上がる落語家の立川談笑さん

原稿書きそのものは楽しいのですが、連載は締め切りの存在が気重なのです。常に夏休みの宿題を抱えているようで。やらなきゃいけないことは早め早めにチャッチャと済ませて、何の屈託もなく夏休みを大いに楽しむ…。そういう健全で賢明な人じゃないんだねぇ、こっちは。

腐れ縁というか、ちょっとしたツテから、執筆の話が舞い込み、「じゃ、ま。ひとつアレなもんで、よろしく頼みます」と引き受けたというのが、連載開始のいきさつです。ユルい制約で幅広い話題を硬軟取り混ぜてお送りしようということです。

いや、そうだと思います。あの、違ってたら次回から改めます。とりあえず先に謝っておきます。すみません。m( )m

■ 師匠に挨拶したら0.5秒で叱られた

ええ、最初なので「挨拶」の話をします。

前座として修行中、師匠の立川談志からよく叱られたものです。ある時などは、朝、顔を合わせて「おはようございます」と言った、そのたった一言をいきなり注意されました。

会って0.5秒で叱られる。これは一門の中での最短レコードとしていまだに記録は破られていないようです。その時の師匠の言葉が「リズムで挨拶するんじゃねえ」でした。

リズム??? 自分としては普通に挨拶をしたつもりなのに、どこがリズムだったのかと深く思い悩んだ経験があります。きっと、師匠と顔を合わせて条件反射的に出たというか、形式的で心がこもっていなかったのでしょう。

ここで自分の話は棚に上げて、別の例を挙げましょう。昨今のファストフード店などでの挨拶です。店内に入ると店員さんが声を張り上げます。

「いらっしゃいませおはようございます○○○○○○へようこそ!」

まずはブレスをしろ、と。息継ぎをしろ、と。肺活量に感心こそすれ、とても心がこもってるとは思えません。

んん、ちょっと待った。こう言うと「そんなところでいちいち心を込められても、客だって面倒臭いよ」なんて反応を想像してしまいました。そう、若者の。「そこで心こめられても、みたいな?」「ていうか、ウザくない?」みたいな。いやいや、そうじゃないんだなあ。

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