20日に発売された米アップルのスマートフォン(スマホ)新モデル「iPhone5s」と「iPhone5c」(以下5s、5c)。5sのカメラ部分のセンサーは、iPhone5と画素数こそ変わらないものの、実は大きな違いがあり、バーストモード(高速連写)など予想以上に機能が強化されたほか、スローモーション撮影も可能になりビデオ機能も進化した。ただ、新型iPhoneはより納得のいくカメラになったのか? 今回の撮影塾では新型iPhoneのカメラ機能を緊急検証。プロのカメラマンの視点から、標準搭載のカメラアプリでどんな写真が撮れるのか解説する。
■まずはスペックを比較
5sと5cの搭載カメラで主な特徴をiPhone5と比較し表にまとめた。
「5sも800万画素? 変わっていないのでは」と思われる読者もいるかもしれないが、これまでのものとは全く別物だ。
ひとつひとつの画素が大きくなったということは、光をより多く受け取れるセンサーになり、暗い場所で撮った写真もノイズが少なくなるということだ。
さらにフラッシュライトにアンバー(こはく色)が加わったことで、タングステンの電球や炎の明かりのもとで撮るときも、自然な色味を保てる。
レンズが若干広角(視界が広く)なったのも変更点だ。焦点距離が33ミリ相当だったのがおよそ30ミリ相当になっている。
なお、iPhone5の基本ソフトをiOS7にアップデートすれば、カメラの基本画面はほとんど同じになる。iPhone5の処理能力が5sと比較して劣るためか、バーストモードで撮影はできないが、ゆっくりとした連続撮影はできる。つまり5cと同じ機能になると言ってもいい。
では実際に、5sの機能を意識してどんな写真が撮れるか見てみよう。
■新機能で撮れる写真、撮れない写真
【強み】 暗くてもノイズが少ない
まずは先ほど触れた、暗い場所での撮影。フラッシュが使えないところや届かないところなどで活躍することだろう。夜に東京スカイツリーを撮って比べてみた。
センサーの向上によりノイズが減った写真になった。レンズが明るい分、ISO感度も低くなっているのも影響しているだろう。ただ、レンズの開放値がf/2.2と(絞り3分の1段分)明るくなった半面、最高ISO感度が2500と(同じく絞り3分の1段分)低く、相殺されてしまい、暗所での撮影の限界はiPhone5と変わらない。