現代生まれの「新・ヨガ」で、首と肩をリラックス肩甲骨編体の深層をほぐす「陰ヨガ」(2)

ヨガのポーズでたるみを解決しよう。座ったまま、寝たまま行う「陰(いん)ヨガ」は、1ポーズずつじっくりと時間をかけるメソッド。たるみの原因となる姿勢の偏りや筋肉の硬直を芯からほぐしていき、ストレッチ効果が大きい。前回は骨盤や股関節の柔軟性を取り戻すヨガを紹介した。今回は、肩甲骨編。1日の終わり、たるみを防ぐ習慣にぜひ取り入れて。

首や肩をほぐし、体が伸びる感覚を味わって

バストまわりをほぐす4つのポーズを紹介しよう。いずれのポーズも肋骨を引き上げ、肩甲骨の動きを良くする働きが高く、ポーズをとるたびに上半身に血液が巡る心地よさを実感できる。

「ポーズをキープしている途中に『首や肩の力が抜けているかな?』と問いかけてみて。もっと力が抜けることに気づくはず」と宮下さん。それほど日常的に、肩や首に、力を入れてしまっている人が多いという。

数十秒ずつ行う一般的なのストレッチと異なり、陰ヨガでは最低でも1分間、とキープ時間が長い。「最初の数十秒では筋肉の表面だけ伸びた感じがする。そのままポーズを続けることで、より深い部分が刺激され、イタ気持ちよさが心地よさに変化してくる」(宮下さん)。

無理して完璧なポーズをとろうとせず、体が伸びる感覚を味わう時間ととらえよう。「自分の体と仲良くなる、あるがままの自分を受け入れる、という精神的なリラクゼーションも得られる」と宮下さんは話す。

毎日就寝前に、ポーズを選んで続けてみよう。体のあちこちの凝りがとれると動きも軽くなり、バストやヒップだけでなく心も上向きになれるはずだ。

 バストをほぐして、ゆがみをとろう

肩甲骨の柔軟性を高める「クウォータードッグのポーズ」

四つばい姿勢で肩まわりをほぐしていくポーズ。腕を伸ばしている側のバスト、二の腕、わきの下をほぐす効果が高い。「肩甲骨の動きが良くなるので、胸を開いた美しい姿勢を維持しやすくなる」(宮下さん)。額が腕の上につけにくいときは、クッションやブランケットをはさんでもOK。両手、両ひざをついて四つばい姿勢になる。腰は反らさない。

写真1 肩甲骨の柔軟性を高める「クウォータードッグのポーズ」(写真:鈴木宏、スタイリング:biswa.中野あずさ、モデル:下枝愛、ヘア&メイク:依田陽子、以下同)

写真1右のように、太ももは床と垂直なるように立てたまま、両肩を落として左ひじを床につく。次に、写真1左のように、右腕を前方へゆっくり滑らせて伸ばす。肩が痛くない範囲まで伸ばしきったら、さらに上体を沈めて左腕の上に額をおき、首をくつろがせる。