朝夕に冷たい風を感じる季節となりました。冬は、日照時間や気温だけでなく、活動量の減少などが影響し、睡眠リズムが乱れやすく、寝つけない、熟眠感がない、寝起きが悪い……と、睡眠の質が低下する季節です。そこで、寒い夜に心地よい眠りを提供してくれる「寝具」のお話をしましょう。知っているようで知らない、冬の快眠を支える寝具の使い方とお手入れのコツを紹介します。
疲れがとれたな~という満足感、心地よく眠ったな~という幸福感に、ふとんの中の温度と湿度が関係しているのをご存知ですか。
掛け寝具と敷き寝具でつくられた寝床内気候が、「およそ温度が摂氏33度、湿度50%」に保たれていると、あたたかく、さわやかだと感じ、身体が気持ちいい~と伸びをするようなリラックスした睡眠をとることができます。この寝床内気候は寝具によってつくられるので、身体も寝具も冷えている冬は、夏以上に寝具選びと寝具への工夫が必要になるのです。
【その1】 厚着は禁物! ぐっすり眠れるパジャマの条件
寒くて眠れない夜、どうしても過剰な厚着をしたくなりますが、なるべくやめましょう。
生地が厚いモコモコ素材だったり、着こみすぎたりすると、スムーズな寝返りを妨げ、肩こりや腰痛、疲れがとれない、などの一因になってしまいます。
寝返りには、腰や背骨のゆがみの調整、筋肉の疲れをとる、ふとんの中の温湿度調整、血液循環を促す、眠りのリズムを整えるなど、重要な役割がたくさんあります。
パジャマの上に、カーデガンや流行りの着る毛布を重ね着して眠る方もいると思いますが、背中でもたついたり、ゴワゴワして寝心地が悪く、睡眠中、無意識に打つ寝返りを制限してしまい、ぐっすり眠ることができません。また、重ね着をしすぎると汗が蒸発しにくなり、体の熱が発散されず寝苦しくなります。
パジャマは薄手、生地は汗を吸い、温湿度調節をしてくれる綿やウールのダブルガーゼやスムースニットがおすすめです。