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「朝の子ども」から見えるもの ~ママ世代公募校長奮闘記(2) 山口照美

2013/5/28

 2013年4月、大阪市立小・中学校に11人の民間出身校長が誕生しました。そのなかで唯一の女性が大阪市敷津小学校の山口照美校長。0歳児を含む2児の母でもあります。校長としての仕事と家事・育児、そして介護…。リアル子育て世代の女性民間校長が直面する様々な問題から、働く女性の現在と未来像が見えてきます。

 「子どもたちは、校長先生の笑顔で一日が始まります」と、研修でOB校長に教えられた。毎朝、その言葉を胸に門に立つ。もう1人、私の配属先、大阪市立敷津小学校の門の前には、毎朝お手製のメッセージカードを持って立つ「笑顔の人」がいる。ボードは日替わりだ。書いてある言葉を並べてみよう。

朝の登校指導は勤務時間外だ。岡部先生をはじめ、敷津小では多くの教職員が交替で児童の朝を見守る

 「あさごはん、何食べた?」

 「夕べ、何時に寝た?」

 「ハンカチ、ティッシュは持ってる?」

 ベテラン養護教諭である岡部眞味(おかべ・まみ)先生の「おはようございます!」が響き、子どもたちの何人かは足を止めてカードをのぞきこむ。

 「今日はパン食べてきた」という子もいれば、 「何も食べてない」という子もいる。 「昨日、寝たの12時やねん」と、しんどそうな子にはいたわりの言葉をかける。

 できている子を褒める。決して叱ったり、強い指導はしない。

 「朝ご飯、今日は食べてきたんやね、よかったぁ」

 「元気なあいさつ、ステキ!」

 照れながらも、小学生たちはうれしげな足取りで校舎に向かっていく。

 敷津小の合言葉は「小さな学校★大きな家族 チーム敷津」だ。家族の健康を心配するように、門に立ってくれている「保健室の先生」。校長として、そして1人の母親として、話を聴いてみた。

■「家庭のしんどい時代」に小学校ができること

――いつから朝、校門に立つようになったんですか?

 「平成21年に、新型インフルエンザが流行し始めた時です。あの当時はどんな重い症状になるか、ただ不安でした。それで、自分にできることは何かないかと、校門で児童の登校の様子を見守ることにしました」

――通勤の方にもどんどんあいさつされますよね。

 「最初は抵抗があったんですが、一緒に立っている当時の校長先生が通勤の方や、近所の市場の方にもあいさつをされるんですよね。一日が明るいあいさつで始まるって、いいな、と。子どもたちにもその快感を知ってほしくて、立っています」

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