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"アニメ好き"が消費を動かす

2012年のアニメ界を振り返る(1)

日経エンタテインメント!

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 2012年のアニメ映画業界は多くのヒットに恵まれた。もともと深夜のテレビアニメだった「魔法少女まどか☆マギカ」や「けいおん!」がヒットしたほか、日本で最大のファンコミュニティを持つ「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」はアニメ映画として最大級の興収となる見込みだ。こうした勢いに乗り、様々な企業がアニメの活用に力を入れた。今回と次回の2回に分けて、2012年のアニメ業界のトピックを紹介する。

2012年、日本は幕開けからアニメが元気だった。2011年末に公開された「映画 けいおん!」は、深夜放送発のアニメが元になっているのにもかかわらず、興行収入20億円に迫る大ヒットを記録。さらに、2012年初めの「第88回箱根駅伝」で未曽有の活躍を見せた"山の神"柏原竜二選手の記事には、「アニメ好き」の文字が躍った。世界のトヨタがアニメ制作に乗り出し、先行きが不安視されるテレビ局や音楽業界好転の影にもアニメがあった──。

これら「アニメパワー現象」は、いくつかのポイントに整理できる。まず、「作品自体のヒット」だ。前出の「けいおん!」に続き、「TIGER & BUNNY」「魔法少女まどか☆マギカ」など、人気作の劇場版が続々と公開されて好成績を収めた。

これらの作品に共通するのは、多くの一般企業を巻き込んでの大規模キャンペーンやコラボが行われたこと。「『エヴァンゲリオン』以来」ともいえる"社会現象アニメ"の相次ぐ登場に、世間は大いに沸いた。

夏休みに親子で見に行くような"王道系"にも新しい息吹があった。細田守監督作品「おおかみこどもの雨と雪」は、2011年のアニメ興行収入ナンバーワン「コクリコ坂から」に迫る41億円(2012年10月時点)の大ヒットを記録。"ネクストジブリ"が待望視されるなか、"ポスト宮崎駿"の登場に、注目が集まっている。

二つ目のポイントは、「"アニメ好き"を公言する有名人」の急増だ。声優・花澤香菜のファンを公言する前出の柏原竜二選手をはじめ、プロゴルファーの大江香織選手、さらには人気モデルの平子理沙や山本美月まで、アニメとは縁遠そうだったスポーツ選手やファッションモデルたちが、アニメを語り出した。

劇場アニメでは、芦田愛菜や鈴木福ら旬の子役や俳優たちが声優を務めることが通例化し、AKB48のように自らをモチーフとしたアニメ「AKB0048」を制作、声優までこなすケースも。これらの動きは、「アニメを見ることの垣根が下がってきている」(「まどか☆マギカ」のアニプレックス岩上敦宏プロデューサー)、その表れなのだろう。

世界のトヨタがアニメ制作

こうした"アニメの一般化"の流れを受けて、「企業や地方自治体などの多用」も多く見られた。大手企業のアニメ活用も一段進んだ感がある。2001年、「千と千尋の神隠し」でいち早くアニメのキャンペーンに着手したローソンのほか、世界ナンバーワンの生産台数を誇るトヨタ自動車が、戦略的プロモーションの一環としてアニメ「PES(Peace Eco Smile)」を制作。国内シェア第1位のNTTドコモも、アニメ事業に着手。新サービス「アニメストア」を立ち上げた。食品メーカーでは、明治が「メグミとタイヨウ2」の商品CMに本格的なアニメを採用。制作は「サマーウォーズ」のマッドハウス。水樹奈々、杉田智和(「銀魂」)ら人気声優を起用しアニメファンの話題をさらった。

「アニメによる街おこし」も活発だ。制作会社ユーフォーテーブルと徳島県が手を組み、2009年に立ち上げたアニメの総合イベント「マチ★アソビ」は、2012年9~10月に開催9回目を迎え、地元の一大イベントとして定着した。2012年9月には鳥取県で「とっとりアニカルまつり2012」が開催されるなど、これに追随する地方自治体も出てきた。作品の舞台となった場所をファンが訪れる"聖地巡礼"のブームも依然続く。

エンタ業界も、軒並みアニメに助けられている。TBSの2011年3月期決算は、「映画 けいおん!」などの放送外収入が経営に貢献し好調をキープ。東宝は、配給映画の2012年3~8月の興行収入が前年に比べ39%増。同期間内において「おおかみこどもと雨と雪」は、邦画実写第1位の「BRAVE HEARTS 海猿」、第2位「テルマエ・ロマエ」に次ぐ興行収入を上げた。2013年2月の連結純利益は2期ぶりに最高収益を更新する勢いだ。

音楽シーンでもアニメが席巻。放送中のテレビアニメ「CODE:BREAKER(コード:ブレイカー)」でオープニング(OP)を務めるGRANRODEO(グランロデオ)の最新アルバムがオリコンの2012年10月10日付デイリーチャートで1位。「うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE1000%」、「黒子のバスケ」はキャラクターソングがシングルチャートの10位以内の常連で、いずれも1万枚前後を売り上げる。こうしたアニソンの勢いは、ネットを通じて今や世界規模。ロックバンドのラルク アン シエルは2012年3月、ニューヨークにある音楽の殿堂、マディソン・スクエア・ガーデンアリーナでライブを敢行。そこには、2004年に主題歌を歌った「鋼の錬金術師」のコスプレイヤーたちの姿があった。

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【企業とのコラボレーションのケース(1) ローソン】

「けいおん!」キャンペーンがスマッシュヒット

「エヴァンゲリオン」「プリキュア」「けいおん!」など、様々なアニメとコラボしてきたローソン。最近では、オリジナルのクリアファイルも作った「魔法少女まどか☆マギカ」を筆頭に、「ジョジョの奇妙な冒険」「009 RE:CYBORG (原作:サイボーグ009)」などといったキャンペーンを打ってきた。

きっかけは2001年にスタジオジブリ「千と千尋の神隠し」で限定映画チケットを販売したことだった。「とにかくチケットが売れて、その流れで、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』の公開時(2007年)にコラボレーションをすることに。その反響がまたすごくて、社内的にも"アニメ強化"、の流れになりました」(広告販促企画部の白井明子氏、以下同)。

ローソンの強みは、傘下にチケット会社やHMVがあること。例えば、「(『けいおん!』の)京都アニメーションの作品だから『氷菓』(2012年のテレビアニメ)はヒットしそうだ」などと、次にどの作品が来るか情報交換できる。店舗でキャンペーンを張りつつ、映画なら限定チケットも販売、テレビアニメなら限定DVD & ブルーレイ・ディスク(BD)などを企画販売することも可能だ。一度に多角的なアプローチができることは、作品の制作側にもメリットが大きい。

「アニメ制作会社にも認知され始め、直接お話ができるところも。今までは男性向けのコンテンツが多かったのですが、今後は、女性人気の高い作品とのコラボも計画中です」

【企業とのコラボレーションのケース(2) トヨタ自動車】

最初から世界的キャンペーンを視野 アニメだから伝えやすいメッセージ

販売台数世界一(2012年上期)。日本を代表するメーカー"トヨタ"がアニメプロジェクトを始動する──。

2012年3月「東京国際アニメフェア」で発表されたこのニュースは、少なからず世間を驚かせたはずだ。タッグを組んだ相手は、映画「ベルセルク 黄金時代篇」3部作のアニメ制作を担当したSTUDIO4℃。両社が対等にアイデアを出し合い完成させたのが、オリジナルアニメ「PES:Peace Eco Smile」だ。

東京の吉祥寺を舞台に、宇宙から地球に舞い降りた PESと不思議生命体のNaSuBiが、人を愛することの大切さや小さな幸せの大事さを体験していくという物語。企画を立ち上げる際、グローバルマーケティング局の南井孝夫グループ長は、2つのことを考えたという。

「先進国の若者の車に対する考え方が変わり、車は見向きもされなくなっている。そこで、車が本来持っているエンターテインメント性を、車のハード面からでなく、別の形で伝えたかった。また、トヨタの考える"安全"は愛や温かみであることを伝えたいと考えたとき、アニメというメディアが一番適していると思った」

公式サイトや「YouTube」で発信された7話のショートムービーは、トータル28万ビュー(2012年10月時点)で、世界各地からの好意的な書き込みも多いという。さらに、NaSuBiの着ぐるみほか「PES」チームは、米ロサンゼルス「Anime Expo」をはじめ、京都や吉祥寺など国内外のアニメイベントに登場した。ネットにとどまらず、リアルでも大いに話題を振りまいている。

「最初からグローバルでのキャンペーンが目的。トヨタのブランド全体のプロモーションを世界に向けてアニメで行っています」(同部署の稲川博氏)

2012年11月にはアジア初進出で、アニメフェス「AFA(Anime Festival Asia)」に出展した。ゆっくりだが確実な浸透を見せるトヨタ×4℃の「PES」。2013年には第2弾の制作も計画されている。

(次回は1月14日掲載)

(日経エンタテインメント! 平島綾子、ライター 山内涼子)

[日経エンタテインメント! 2012年12月号の記事を基に再構成]

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