“アニメ好き”が消費を動かす2012年のアニメ界を振り返る(1)日経エンタテインメント!

「アニメによる街おこし」も活発だ。制作会社ユーフォーテーブルと徳島県が手を組み、2009年に立ち上げたアニメの総合イベント「マチ★アソビ」は、2012年9~10月に開催9回目を迎え、地元の一大イベントとして定着した。2012年9月には鳥取県で「とっとりアニカルまつり2012」が開催されるなど、これに追随する地方自治体も出てきた。作品の舞台となった場所をファンが訪れる“聖地巡礼”のブームも依然続く。

エンタ業界も、軒並みアニメに助けられている。TBSの2011年3月期決算は、「映画 けいおん!」などの放送外収入が経営に貢献し好調をキープ。東宝は、配給映画の2012年3~8月の興行収入が前年に比べ39%増。同期間内において「おおかみこどもと雨と雪」は、邦画実写第1位の「BRAVE HEARTS 海猿」、第2位「テルマエ・ロマエ」に次ぐ興行収入を上げた。2013年2月の連結純利益は2期ぶりに最高収益を更新する勢いだ。

音楽シーンでもアニメが席巻。放送中のテレビアニメ「CODE:BREAKER(コード:ブレイカー)」でオープニング(OP)を務めるGRANRODEO(グランロデオ)の最新アルバムがオリコンの2012年10月10日付デイリーチャートで1位。「うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE1000%」、「黒子のバスケ」はキャラクターソングがシングルチャートの10位以内の常連で、いずれも1万枚前後を売り上げる。こうしたアニソンの勢いは、ネットを通じて今や世界規模。ロックバンドのラルク アン シエルは2012年3月、ニューヨークにある音楽の殿堂、マディソン・スクエア・ガーデンアリーナでライブを敢行。そこには、2004年に主題歌を歌った「鋼の錬金術師」のコスプレイヤーたちの姿があった。

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(C)かきふらい・芳文社/桜高軽音部、(C)カラー、(C)米澤穂信・角川書店/神山高校古典部OB会、(C)Magica Quartet/Aniplex・Madoka Movie Project

【企業とのコラボレーションのケース(1) ローソン】

「けいおん!」キャンペーンがスマッシュヒット

「エヴァンゲリオン」「プリキュア」「けいおん!」など、様々なアニメとコラボしてきたローソン。最近では、オリジナルのクリアファイルも作った「魔法少女まどか☆マギカ」を筆頭に、「ジョジョの奇妙な冒険」「009 RE:CYBORG (原作:サイボーグ009)」などといったキャンペーンを打ってきた。

きっかけは2001年にスタジオジブリ「千と千尋の神隠し」で限定映画チケットを販売したことだった。「とにかくチケットが売れて、その流れで、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』の公開時(2007年)にコラボレーションをすることに。その反響がまたすごくて、社内的にも“アニメ強化”、の流れになりました」(広告販促企画部の白井明子氏、以下同)。

ローソンの強みは、傘下にチケット会社やHMVがあること。例えば、「(『けいおん!』の)京都アニメーションの作品だから『氷菓』(2012年のテレビアニメ)はヒットしそうだ」などと、次にどの作品が来るか情報交換できる。店舗でキャンペーンを張りつつ、映画なら限定チケットも販売、テレビアニメなら限定DVD & ブルーレイ・ディスク(BD)などを企画販売することも可能だ。一度に多角的なアプローチができることは、作品の制作側にもメリットが大きい。

「アニメ制作会社にも認知され始め、直接お話ができるところも。今までは男性向けのコンテンツが多かったのですが、今後は、女性人気の高い作品とのコラボも計画中です」

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