パソコンの未来は「超小型コンピューター×センサー」生まれ変わるPC(後編)

日経パソコン

スマートフォン(スマホ)やタブレットの普及によって、いつでもインターネットに接続でき、あらゆる情報を入手できるようになった。モバイル機器を手にしながら、「もうパソコン(PC)は必要ないのではないか」との疑問を抱いている人も多いだろう。実際には、従来のアプリやデータの互換性を維持するため、パソコンが即座に使われなくなることはない。ただ、モバイルや通信技術の進化と融合しながら、パソコンは大きく変貌していくことは間違いない。「ポストPC」の有力候補とされるウエアラブル機器や、IT(情報技術)企業が注目する「Internet of Things(IoT)」の最新動向を紹介する。

これまでのパソコンやモバイル機器は机の上に置くか、手に持って使うのが一般的だった。今後、そんなコンピューターの利用スタイルがガラリと変わるかもしれない。腕輪型やメガネ型など、体に身に着けて利用するウエアラブル機器が数多く登場してきたからだ(図1)。

図1 頭や腕などに身に着けてネット越しにデータをやり取りできる小型端末の開発が進んでいる。スポーツ器具に搭載する製品もある

スマホやタブレットは携帯性が高まったといっても、利用する際にはポケットやかばんから取り出す必要がある。常時身に着けるウエアラブル機器であれば、ユーザーが意識しなくても自動でネットに接続し、情報をやり取りできる。スマホの次のブームを創りだそうと、メーカー各社が競うように多種多様な製品を開発している。

活動量計に活路見いだすソニー

特に目立つのは腕輪(リストバンド)型の製品。2014年2月に開催された世界最大のモバイル関連の展示会「Mobile World Congress 2014」では韓国サムスン電子、ソニーといったメーカーが次々と腕輪型端末の新製品を発表した。米グーグルは2014年3月にウエアラブル機器のプラットフォーム「Android Wear(アンドロイド・ウエア)」を発表した。韓国LG電子などが対応する腕輪型端末を投入する。

これら腕輪型端末は大きく2種類に分類できる。スマホをより小型化させた情報機器タイプと、運動量を計測できる活動量計タイプである。情報機器タイプは、メールやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のメッセージ受信や天気や株価などの情報を確認できる(図2)。スマホの小型版とも考えられる。マイクやスピーカーで音声通話ができる製品や、カメラやタッチパネルを搭載している製品もある。

図2 左は「情報機器」タイプ。スマホと連携して、受信したメールや音声通話の着信を通知してくれる。内蔵するカメラで写真も撮影できる。中央は、ソニーが開発した「活動量」タイプ。バンドの内部に通信モジュール「Core」を内蔵している。スマホの専用アプリで1日の運動量を確認できる(右端)。将来はCoreを内蔵した小型カメラも投入する予定(右から2番目)

活動量計タイプは、加速度センサーを搭載し、運動量を計測できる。単に歩数を表示するだけではなく、スマホのアプリと連動して達成度を確認できるようにしている製品が多い。その一例が、ソニーが発表した「SmartBand SWR10」。小型の通信モジュール「Core」を内蔵するリストバンドだ(図2)。

Coreは、歩数、ジョギング、睡眠時間などを測定できる。専用アプリではCoreから受信した運動量データのほか、ユーザーが追加したブックマーク、受信したメール、再生した音楽、撮影した写真、出かけた場所などの情報を時系列で記録できる。

履歴を見ることで、あたかも日記を読み返すように自分の生活を振り返ることができる。「Facebook(フェイスブック)などのSNSは友人とつながりを感じるために、1日の中で何度も確認したくなる。同様にSmartBand SWR10の専用アプリは、画面を通して自分とのつながりを確認できるSNSのようなものだ」(ソニーモバイルコミュニケーションズ商品企画部門・UX商品企画部統括部長の黒住吉郎氏)と新感覚のユーザー体験を提供できるとする。

同社は、Coreを内蔵できるカメラモジュールなど周辺機器を投入することでさらに活用の幅を広げていく方針を示している。

MONO TRENDY連載記事一覧