働く女は「一枚岩」ではなくてもいい

2013/11/25

前回は、「働く女」をめぐる“バッシング報道”が目立つ最近の状況についてお話ししました。非常に興味深いのは、こうした報道の一部が同じ女性の側からなされるケースが少なくないことです。女性をバッシングするのは男性とは限らない。同性である女性からも働く女はバッシングされうるのです。

例えば、先日週刊誌に掲載された作家・曽野綾子さんの「出産したらお辞めなさい」といった寄稿原稿は典型例です。曽野さんに限らず、様々な場面で先輩女性や同世代の女性たちからなされる非難・主張に戸惑う読者もいるはずです。

以前は男性の側から「女は使えない」「(組織に)女は必要ない」といった主張が展開されることが大半でした。ところが、「働く女性」が増えてきて、仕事と子育てを両立する女性たちも出てきたことで、そうした自身の体験や価値観を元に、「同じ女としてこうあるべき」「こうするべき」といった主張がされるようになってきた。これは最近の傾向の一つです。「働く女も一枚岩ではない」わけです。

「子どもに寂しい思いをさせるなんて許せない」「働く以上、家事も完璧にこなすべき」……。こうした主張がむしろ女性の側から職場で社会であるいはメディアで広くされています。

女性同士のあつれきは多様化の象徴

「同じ男として~」とは男性はあまり口にしないフレーズです。一方で「同じ母親として~」「同じ女性として~」という主張はよく耳にしますね。今の日本では「女」や「母親」というものの枠組みが限定的で、そこから逸脱した人を女性同士で非難するような風潮があるということでしょう。

こうした状況を気に病む女性も多いでしょうが、私はいろいろな考え方や働き方の女性がふえるということなので、けっして悪くない傾向だと思っています。