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カラダの水、2%失ったら脱水症 のどの渇きの仕組み

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NIKKEI STYLE

日経ヘルス

生きていくために一番大事なものは何でしょう。「お金?」なんて思った人は、ゆっくり読んでください。最も大切なのは「水」。それは、人類のはるか遠い祖先が海から生まれたときに決まったことでした。水を巡る体の中の営みは、遠大で、思慮深くて、そしてちょっとだけ笑えます。

水は、私たちの体になくてはならないもの。なにしろ人体の約60%は水分(体重50キロなら約30リットル分)で、ここから2%失われるだけで脱水症になるという。人間の体の中は、文字通りいつも"水浸し"でなくてはいけないのです。

「地球上の生命はもともと海の中で生まれたので、水に浸って生きるのが本来の姿。そのしくみがそのまま私たちの体に受け継がれているのです」。早稲田大学人間科学学術院教授の永島計さんは、こんなふうに話し始めた。

体の中の水=体液を太古の海に見立てるなら、そこに浸っているのは、細胞。人間の体には、約60兆個の細胞がある。これらが体液という"海"の中で息づいているわけだ。

「人の体は、この"海"を保持し、細胞の居心地がいい状態を保つために働いているといっても過言ではありません」

血液が足りなくなると細胞内の水が供出される

体内の水分といわれて、多くの人がまず思い浮かべるのは「血液」だろう。

血液は、体内に張り巡らされた血管の中を流れて、体内の細胞に酸素と栄養を届ける。大人一人の血管をすべてつないだ長さはなんと10万キロメートル。これは赤道の2.5倍に及ぶというから、途方もないスケールだ。

ただ「体液の中で血液が占める割合は、実はさほど多くありません」と永島さん。30リットルの中の、せいぜい4リットル分だという。

残り26リットルのうち16リットルは「細胞内液」。細胞一つ一つは顕微鏡でなければ見えないほど小さな袋(直径数十マイクロメートル程度)だけれど、60兆個もあるので、細胞内の水の総量はこんなに多くなる。

残った10リットルが「細胞外液」。細胞の外側を満たす水分で、イメージとしてはこれが、"細胞が浸る海"に近いだろう。

血液が運んできた酸素と栄養は、毛細血管から細胞外液へしみ出て、それを細胞が取り込む。逆に、細胞が吐き出した二酸化炭素や老廃物は、細胞外液をへて血管に回収される。

「交通網に例えると、血管はスピードの速い高速道路。高速を降りてから家庭の玄関までをつなぐ一般道にあたるのが細胞外液で、速度は遅いけれど、隅々まで行き渡ってます」。こんな"物流システム"が、全身の細胞を養っているわけだ。

ただしこれは、水分が十分に足りているときの話。ひとたび水不足になると様相は一変すると、永島さんはいう。

「例えば汗をかいて血液の水分が急に減ると、緊急的に細胞内の水分が引き出されます」

血液が不足すると血圧が下がり、脳へ血が巡らなくなってしまう。脳は体の中枢であり、酸素や栄養が届かなくなるのは生死にかかわる問題。だから非常事態と見るや、全身の細胞は自分の細胞内液を差し出す。特に、肌や手足など、生きていくための重要度があまり高くない場所の細胞がまず"犠牲"になるという。「16リットルの細胞内液は、非常用水分ストックでもあるのです」。

同時に、脳が「のどが渇いた」という指令を出す。そして私たちが水を飲み、血液量が回復すれば、細胞は再び内なる海にゆったりと身を預ける。

脳がモニターしているのは血液中の塩分濃度

へ~お見事…と思わず感心するしくみだが、永島さんによると、思わぬ盲点もあるという。

「水不足に備えて脳がモニターするのは、血液量ではなく、血液中の塩分濃度なのですよ」

というのも、脳自体が体の中にある臓器なので、自分の体の水分量を測るのは難しいのだ。だから代わりに塩分濃度をチェックし、濃くなったら「脱水だ」と判断する。

でも、そのやり方が盲点?

「塩辛いものを食べたときにも"水が足りない"と判断してしまうんです。それで水を飲むと、水分過剰で体がむくむ」

なるほど、確かに味の濃いラーメンを汁まで飲んだあとなどは、のどが渇きます。でも太古の昔にはラーメンがなかったのだから、勘違いするのも仕方ないかも。とりあえず塩分のとり過ぎにはご注意を。

北村昌陽(きたむら・まさひ)
 生命科学ジャーナリスト。医療専門誌や健康情報誌の編集部に計17年在籍したのち独立。主に生命科学と医療・健康に関わる分野で取材・執筆活動を続けている。著書『カラダの声をきく健康学』(岩波書店)。最新刊は『スゴイカラダ~あなたの健康を保つ驚くべきしくみ』(日経BP社)。

[日経ヘルス2010年4月号の記事を基に再構成]

スゴイカラダ~あなたの健康を保つ驚くべきしくみ

著者:北村昌陽
出版:日経BP社
価格:1,512円(税込み)

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