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ドラマ1、2位は朝ドラ バラエティーは日テレ

2012年ヒット番付(2)【テレビ番組】

日経エンタテインメント!

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NIKKEI STYLE

2012年のエンターテインメント界の動向をランキングから振り返るこの企画。3回連載の第2回目は2012年の「テレビ番組」について。テレビ業界ウォッチャー4人が座談会形式で紹介する(座談会は2012年11月に実施)。ドラマ分野では、「梅ちゃん先生」「カーネーション」などNHKの朝ドラが視聴率の上位を独占した。一方、バラエティー分野では「世界の果てまでイッテQ!」など日本テレビの強さが光るものの、波に乗るテレビ朝日の底上げも実感する結果になった。

「2012年のテレビ番組を語る」座談会 参加者プロフィール
指南役:経歴・年齢不詳。テレビ界の裏情報に精通し、テレビ座談会を取り仕切る。エンタテインメント分野の企画集団「指南役」を主宰する。
草場滋:作家・メディアプランナー。45歳。「企画千里眼」の異名を持ち、主にバラエティー番組に造詣が深い。尊敬する人物は高田純次。
津田真一:某新聞社に勤務。45歳。マイナー銘柄を発掘するため「青田の貴公子」の異名を持る。深夜番組や海外番組、新シリーズなどに詳しい。
小田朋隆:僧侶。45歳。仏門に身を置く一方、俗世界のリサーチと称してテレビ研究。「ドラマ王」の異名を持ち、連ドラウォッチャーとして知られる。

指南役これまで「日経エンタテインメント!」誌の連続ドラマ年間視聴率ランキングでは夜のドラマを中心に見てきましたが、今回からNHKの朝ドラも加えました。年間トップは「梅ちゃん先生」です。

小田 で、2位が「カーネーション」。連ドラ冬の時代にあって、NHKの朝ドラがワン・ツーフィニッシュ。

草場 朝ドラ復活のカギは平均視聴率18.6%を記録した2年前の「ゲゲゲの女房」だと思う。朝ドラ定番の「昭和の女の一代記」を守りつつ、そこに等身大のリアリティーを持ち込んだ…。

津田 主人公・布美枝はそれまでのヒロイン像と違い、内気な性格。でも気丈に夫を支える姿勢と、家庭を支える主婦にもドラマはあるとする作り手の目線が、視聴者の共感を呼んだんだよね。

草場 伝統って、変えちゃいけない部分と、変わらないといけない部分がある。朝ドラスピリットは守りつつ、時代に即したリアリティーは意識しないといけない。

小田 で、2位の「カーネーション」だけど、「昭和の一代女」は守りつつ、妻子ある男性に恋い焦がれるヒロインに視聴者は親近感を持った。

津田 それと主演の尾野真千子と脚本の渡辺あやサンの相性の良さ。二人は以前組んだ「火の魚」でも文化庁芸術祭大賞を受賞した。

草場 一方、首位の「梅ちゃん先生」は、終戦直後の蒲田を再現した巨大なオープンセットで一気に視聴者を物語の世界へ…。

小田 市井の開業医が主人公という面も、「ゲゲゲの女房」に通じると思う。梅ちゃん先生は歴史的有名人でもなんでもない。でも、そういう普通の人たちが戦後の日本を作り上げた、と。

ドラマ分野の民放トップはテレ朝「ドクターX」

指南役 くしくも3位に入った民放連ドラTOPも、女医のドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」です。なんとテレ朝銘柄。

津田 これも、フリーランスの医者が増えつつあるという時代背景に沿っていますね。

草場 名門医大の第一外科教授以外にも優れた医者はいるし、ちゃんとドラマはあると。

小田 「PRICELESS~あるわけねぇだろ、んなもん!~」も、解雇されたサラリーマンが主人公という意味では近い。要は社会のスポットライトが当たらない人にもちゃんと光を当てる。

草場 「相棒」の強さも、突き詰めればリアリティーだもんね。犯人は猟奇的な人間などではなく、社会に潜む悪。そこに対峙する姿勢は、同ドラマの矜持(きょうじ)。

指南役 ちなみに「相棒」は2012年3月から始めた夕方の再放送でも二桁近い高視聴率です。

小田 その効果もあり、テレ朝は2012年4月に開局以来、初の月間三冠王を獲得しましたね。

津田 それにしても上位のドラマは、刑事ドラマかミステリーが多いね。まぁ、これはアメリカでも同じ傾向だけど(笑)。

指南役 ちなみに、最も不振を極めた7月クール(7~9月)は、平均15%超えのドラマがゼロ。最高がリメイクされた「GTO」の13%台。

小田 今、連ドラ界の全体に言える問題は、脚本力の低下だと思います。旧作の「GTO」を見返したんですが、松嶋菜々子ふんする冬月先生はスチュワーデス志望の腰掛け教師と、人物にリアリティーがある。そのあたりがリメイク版の瀧本美織にはなかった。

草場 まぁ、旧作の脚本家である遊川和彦サン自身、近年の作品ではリアリティーが欠如しているからなぁ(笑)。

指南役 それと2012年の傾向として、視聴率はもう一つでありながら、ソーシャルメディア上で盛り上がった例も…。「リッチマン、プアウーマン」「リーガル・ハイ」などがそう。

小田 「リッチマン~」は前半の蛇足がなければ…IT業界の描き方や小栗旬演ずる日向徹は魅力的だっただけに、惜しい作品。

津田 ただ、両方ともネットやスマホの配信は好調だった。

草場 要するに「視聴深度」の高いドラマだね。今度、ビデオリサーチ社がツイッターを基に新しい視聴率を作るそうだから、今後ドラマの評価も変わってきそう。

指南役 最後に大河史上初のヒト桁を出した「平清盛」について…。

小田 まぁ、リアリティーの出し方を誤ったと思いますね。わざと画面を汚したり、濡れ場を多用したり…。でも、視聴者が日曜8時の大河に求めているのは、そういう表面的なリアルじゃなく、もっと骨太な人間ドラマ。

草場 結局、人間を描けるか否か。

バラエティー分野では、テレ朝が日テレの背後にジワジワと忍び寄る

指南役続いてはバラエティーです。なんと「世界の果てまでイッテQ!」が番組史上初の年間1位に輝きました。

津田 前年3位からトップへ。ひとえに2012年のバラエティー企画No.1といわれる、2012年9月30日放映のイモトのマッターホルン登頂SP(スペシャル)に尽きますね。

草場 20.0%。あれはバラエティーの域を超えていた。撮影チームは日本で山岳ドキュメンタリーを撮らせたら最高峰のチーム。そういう既存のテレビ界の垣根を越えられるのが、今の日テレのバラエティーの強みかと。

小田 で、上位に日テレ銘柄がズラリ。2年連続三冠王を狙う強さは、このバラエティーの安定感だね。ドラマはどんなに高視聴率でも3カ月で終わる(笑)。

指南役 2011年まで2年連続トップだった、「行列のできる法律相談所」は3位に陥落しました。

津田 とはいえ、島田紳助サンなき今、むしろ健闘しているほうだと思いますね。今のところ、MC(司会)交代制がうまく機能している印象。

草場 特にフットボールアワーの後藤(輝基)がいいね。彼のMCの才能を引き出しただけでも、同番組は続けた甲斐があった。

小田 ゲストMCでは、2012年1月15日の明石家さんまスペシャルの回が21.2%。改めてさんまサンの強さが浮き彫りになった。

草場 まぁ、紳助サンの引退とも関係あるんだろうけど、2012年は改めてさんまサンの安定感が見直された年。ここへ来て「踊る!さんま御殿!!」が2位に躍進。

小田 2011年8位からのランクアップ。15年の長寿番組なのに、お笑い怪獣、いまだ衰えず(笑)。

津田 長寿番組といえば、19年目の「ぐるぐるナインティナイン」も安定して強い。2011年は岡村(隆史)の復帰効果があって3位と上昇したけど、今回も4位と健闘。

草場 「ゴチになります!」の新レギュラー・杏の効果も多少あったのかな。トップが何度か入れ替わるなど、上位は接戦だった。

小田 TOP10からはもれたけど、個人的には11位の「秘密のケンミンSHOW」も推したい。2011年の17位からの躍進。ゆるキャラやB-1グランプリ、美少女図鑑など、今、地方に吹いている風が追い風になったと思う。

草場 同番組は女性層からの支持も高いね。旅行好きの彼女たちのニーズをつかんだ時点で、他県の人たちの視聴動機を生んだ。

津田 もともと日テレ系列は「ズームイン!!朝!」で培った経験で、ネットワークの協力体制は民放随一。そういう下地もあった。

「スペシャル」攻勢でテレ朝が上昇

指南役 そんな日テレを追いかけるテレ朝は、TOP10に3銘柄がランクインです。

津田 ここでも、テレ朝の勢いを感じますね。「もしものシミュレーションバラエティーお試しかっ!」は前年20位から、「ロンドンハーツ」は31位からのランクアップ。

小田 とはいえ、「お試しかっ!」は、2週に一度は「クイズプレゼンバラエティーQさま!!」と合体して2時間スペシャルをやっている印象(笑)。

草場 そりゃあランキングも近づくか。もはやレギュラー放送のほうがスペシャル感が強い(笑)。

津田 SPの多さは同局の勢いを象徴しているね。ちょうど1980年代初期のフジテレビがそうだったように。

小田 でも、長尺のSP編成は「ながら視聴」を生みがちなんだよね。視聴率は稼げるかもしれないけど、長い目で見れば、テレビ局にとってマイナスな気がする。

草場 ある意味、一時的な快楽を得られる麻薬だからね。やはりテレビの基本は定時のレギュラー放送。そこでファンを作らないと。

津田 それでいえば、同局の「マツコ&有吉の怒り新党」「アメトーーク!」は23時台を死守しているから、あの強さは本物。

小田 ツイッターなどのソーシャルメディアでは、二つとも圧倒的に強いもんね。いわゆる「視聴深度」を測るビデオリサーチ社の新しい視聴率では、確実にランクが上がりそう。

草場 個人的には、2011年の50位から28位へ躍進した、同局の「大改造!劇的ビフォーアフター」を評価したい。アメリカでは古いお宝をリフォームする番組はあっても、家一軒をリフォームするのはない。日本オリジナルのフォーマット。

小田 目的が、単に家のリフォームに終わらず、その先に家族再生があるのが志が高いね。そのうちギャラクシー賞をとりそう。

指南役 年間三冠王争いで日テレとテレ朝に少し離された感のあるフジは、ついにTOP10内にランクインしませんでした。

津田 同局の停滞感を象徴していますね。20位以内を見ても、「SMAP×SMAP」「ホンマでっか!?TV」「めちゃ×2イケてるッ!」と、どれもベテラン勢の番組。新しい人が育っていない。

草場 視聴者もファンがそのままスライドして高齢化しているね。かつて若年市場を得意としたフジの面影は消えつつある。

小田 フジの課題は、いわゆるアーリーアダプター…新しもの好きの視聴者を取り込めていないこと。この秋、鳴り物入りで復活した「アイアンシェフ」がヒト桁視聴率で苦戦しているのも、その象徴。

草場 この10年で若者の価値観が一変したからね。贅沢な食材で豪華絢爛な料理を作られても、今の若者は冷めた目で見ている。

津田 そもそもリメイクしようという発想が後ろ向きな気がする。フジが再生するには、かつての成功体験からの卒業も一考かと。

指南役 TBSからは、例年と同じく「ぴったんこカン・カン」がTOP10内にランクインです。

小田 14位の「中居正広の金曜日のスマたちへ」と合わせて、TBSはもはや金曜日だけで息をしている感じですね(笑)。

草場 週1放送と言っても過言ではないような…(笑)。それは冗談としても、他の曜日のゴールデンでTBSがやっている番組名が思い浮かばない。

津田 かつての「民放の雄」は遠くなりにけり。TOP50にTBS銘柄が4つしか入っていないことがそれを物語っているね。

小田 昔、フジがTBSを吸収合併するなんていううわさ話が流れたことがあったけど、もし今だったなら本当かと思うかも。くしくもフジは金曜日が弱い。ここをTBSに任せれば…(笑)。

対照的なテレ東とNHK

指南役 テレ東は唯一の星である「開運!なんでも鑑定団」が辛うじてTOP50に残りました。

津田 とはいえ、ここ数年、ちょっと同局は元気がないんですよね。1990年代から2000年代半ばまでは、次々に実験的な番組を作るアグレッシブなイメージがありましたが、今や温泉とグルメの局。

小田 移ろいやすい若者の嗜好に対して、高齢者の嗜好は安定。テレ東は後者をとったんだね。でも、それで局の勢いが落ち、結果として視聴率も…。

草場 昔は「大食い番組」みたいなテレ東がフォーマットを作って他局が真似する企画もたくさんあった。そういう意味ではバラエティ界のフラッグシップだった。

津田 その方面では、今は「番組たまご」で次々に新銘柄を生み出すNHKが目立っている。

指南役 同局は「鶴瓶の家族に乾杯」が9位にランクインです。

津田 昨今のお散歩番組流行りのなか、最も成功していますね。

小田 会えば誰とでも2秒で友だちになれる鶴瓶師匠ならでは(笑)。他のお散歩番組が主に店を扱うのに対し、人がメインというのも素晴らしい。

草場 しかもアポなしだからね。作り手とタレントが一体にならないと、それはできない。

津田 その手法は14位の「ためしてガッテン」も同じ。あの番組は立川志の輔師匠も企画に参加している。師匠が自分の感覚で納得しないと、オンエアできない。

小田 だから600回を超える長寿番組なんだろうね。偉いのは、以前、自分たちが検証した結果が科学の進歩で誤りだと分かると、ちゃんと訂正する。そういう真摯な姿勢に視聴者は共感する。

指南役 バラエティも共感の時代に…。

(日経エンタテインメント!編集部)

[日経エンタテインメント!2013年1月号の記事を基に再構成]

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