マネー研究所

カリスマの直言

売る気はないが金の大底はまた来る(ジム・ロジャーズ) ロジャーズ・ホールディングス会長

2013/6/27

商品投資の第一人者であり、資産運用は家族のためというジム・ロジャーズ氏。前回に引き続き、ロジャーズ氏と豊島逸夫氏との対談をお届けします。4月下旬に行われた今回の対談では、場所をシンガポールに移し、今後の金相場や有望な投資先について二人は語り合いました。

豊島 4月に起きた金価格の暴落は短期的に記録的な下げ幅だった。12日に1トロイオンス1560ドル台から一気に1500ドルを割り込み、16日にかけて1320ドルまで下げた。4月下旬時点ではやや戻して1400ドル台になったが、こうした金価格の動向をどう見るか?

ジム 今回の1300ドル台までの急落は、最高値である1800ドル台から30%下がったくらいだね。しかしこれくらいの下落は以前にもあった。

そもそも金価格は、過去12年間にわたり上昇トレンドが続いてきた。これはとても異例なことだ。一方でこの12年間に、高値から30%の下落は2回あった。2008年にも1000ドル付近から700ドル近くまで下げている。

この状況で、さらなる下落があっても私は驚かないよ(注:6月時点では、1200ドル台まで下落している)。

豊島 金を売りたくなる理由はたくさんある。例えば米連邦公開市場委員会(FOMC)が量的緩和の出口戦略に傾き始めていたり、キプロスが保有する金を売却する気配を見せていたりする。中国経済の成長率は7.7%に減速した。

しかし一方で、ドバイやムンバイ、香港、そして東京などを見ていると、現物市場で金が大量に売れている。東京の銀座の貴金属店では、金価格が急落したまさにその日に、一日に1000人の客が押し寄せた。アベノミクスの成功に賭けて日本人投資家は日本株を買い上げたが、同時に、アベノミクスが失敗した場合のヘッジとして金を安値で買っている。株で攻めて金で守る発想だ。

ムンバイやドバイでも記録的な量の金現物が売れており、新興国は価格の下支えになっている。底抜けの下げはないように思うが。

ジム 相場が崩壊した後には、リバウンドで大きく上昇する局面が必ずやって来るが、それがすぐに来ることは期待していない。またもう一度「底値」が来るだろう。

大半の人は、金相場の状況が決定的に変わったとは考えていない。だからこそ、我々は弱気なシナリオを想定しておく必要がある。底値というのは、皆が諦めたときにようやく来るものだ。多くの人が「私は間違っていた! 皆さん、私が生きているうちに、もう一度金を買ってください」と叫び始めたら、本当の底が来るだろう。今はまだだ。最終的な底値を付けるきっかけは何だろうね。

シンガポールを拠点に活躍する世界的投資家、ジム・ロジャーズ氏(右)と豊島逸夫氏(左)

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